「グーグルはAI(人工知能)ファーストの会社になる」。スンダー・ピチャイCEOが宣言してから1年。発言の真意が少しずつ見えてきた。 「大阪を訪れたとき、いいにおいのする屋台に行列ができていた。だが、看板に書かれた日本語がわからなかった」。5月17日、米グーグルが年に1度開催する開発者会議「I/O(アイ・オー)」。エンジニアリング担当バイスプレジデントのスコット・ハフマン氏は基調講演で唐突にそう語りだした。 グーグルが賭ける「AIアシスタント」 ハフマン氏は日本語の看板をスマートフォンのカメラで写した。そこには日本語で「たこ焼き」の文字。すぐ下には値段が書かれている。次の瞬間、これらが英語に翻訳され、「これはどんな見た目なの?」と話しかけると、たこ焼きの写真がずらりと表示された。 「グーグルアシスタント」は昨年のI/Oで発表されて以降、グーグルが戦略の核に据える対話型AIだ。 誰かと会話をす