世相的な話から始めます。 金融庁が公表した「公的年金以外に老後資金2000万円が必要」という報告書は、大きな波紋を呼びました。政府はその報告書を受け取らない=なかったことにしたわけですが、そのインパクトはすさまじく、「年金だけで暮らすのはもう絶対無理なんだな……」というのが国民の間に暗黙のコンセンサスとして根付いた感はあります。実際あちこちの雑誌やウェブサイトで「どうやって2000万円ためるか」みたいな特集やってるし、NISAやiDeCo始める人も増えたらしいし。 というか「老後2000万円」って絶対、2019年の流行語大賞にノミネートされますよね。なんなら大賞取るかもしれない。それくらいインパクトのある言葉でした。 で、このニュースを見たときに、こう思ったのです。 「藤子・F・不二雄の『定年退食』の世界が、ついに現実化した」と。 僕だけじゃない。「定年退食」を読んだことのある人はきっと全