あちらこちらで発表された修士論文を見ると、最近は授業で統計手法について学ぶ機会もあるようで、多くの学生が統計手法を用いています。しかし、基本的な誤り、特に報告の仕方に誤りが少なからず見られます。本当に基本的なこと、基本中の基本は、当たり前すぎて、統計入門の本には書いていないのかもしれません。この連載では、当たり前すぎてどこにも書いていないようなことを考えていきたいと思います。 グラフの「大量生産」 初回は、グラフを取り上げたいと思います。なぜかというと、多くの学生がグラフを使うと効果的だと思っているようで、大量生産されているように思うからです。また、世に出ている論文を見ても、疑問に思うことがあります。 グラフの大量生産については、言語テストの専門家J. D. Brown も著書Using Surveys in Language Programsの中で、若手研究者はグラフをレポートの中で多用