若くして老化が急速に進む早老症「ウェルナー症候群」は、特有のタンパク質に異常が生じ、細胞内で絡まったDNAがうまくほどけなくなって起きることを奈良先端科学技術大学院大情報科学研究科の北野健助教の研究チームが発見。10日発行のアメリカの科学専門誌「ストラクチャー」で発表した。 北野助教は「ウェルナー症候群で、タンパク質の変異が原因となる仕組みを分子の形状から明らかにできた」としており、老化の仕組み解明にもつながる研究として注目される。 北野助教チームは、タンパク質酵素の一種「ウェルナーヘリカーゼ」とDNAの複合体の結晶に大型放射光施設「SPring-8」(兵庫県佐用町)でX線を照射し、ウェルナーヘリカーゼの構造を解析した。この結果、細長くとがった構造になっていることが判明。このナイフのような構造が、細胞分裂時に2本鎖構造のDNAが1本ずつにほぐれて複製される際、染色体末端にある老化時計「テロ