メディアによって、読まれ方によって、書き方は変わる。ハードカバー単行本なら、そのサイズで読みやすいフォントや文字の級数、書き方を選ぶ。 「環境や時代に合わせて小説は変化するもの。チャールズ・ディケンズが今の時代に生まれていれば、まったく違う書き方をしたと思う。ストーリーは変わらないかもしれないけれど、書き方はどんどん変わる」 瀬名さんは小さなデバイスが苦手で、ケータイ小説は読んだことがない。だがケータイ小説は否定しない。「改行が多い」「泣けるストーリーが多い」など人から聞いた話しから、こんなふうに想像する。「1行ごとに改行するのも、そこでの読みやすさを追求している技術だろう」 メディアによって表現は変わる メディアによって、共感(シンパシー)と感情移入(エンパシー)の「単位」も変わってくる。ハードカバー単行本なら、感情の起伏を見開き2ページに収める。新聞連載なら1回分・原稿用紙2~3枚に、