僕は、中学生の頃、深夜放送を聴きながら勉強をした世代だ。 いや、なんとなく世間の親たちは、風潮でそういうものかと納得していたようなしていなかったようなではあったが、実際は、頻繁に勉強が主ではなく、ラジオが主となり、その合間に少し問題集を解いた。 ヤングタウンやオールナイトニッポンやジェットストリームだったのだろうが、今では、記憶はだいぶん曖昧になっている。 僕が一番楽しみにしていたのは、チンペイ(谷村新司)さんで、その声の素晴らしさ、話の面白さに夢中になった。*1 番組にはたくさんのハガキが寄せられ、パーソナリティがそれを取り上げて相談に答えたりするのだが、そこは中学生の僕には「大人というものを垣間見る窓」であった。 たとえば、中絶を悩んでいる女性の相談にパーソナリティが答える。もちろん、その答えには相談者の困難な状況を思いやり、暖かな、相談者をなんとか元気づけようとするものである。 まだ