著者はサラ・ゲイ・フォーデン。WWD(ウィメンズ・ウェア・デイリー)のミラノ支局長も務めた元ファッション・ジャーナリストで、今はブルームバーグニュースで大手IT企業の取材などに携わっているそうです。イタリア在住歴が長かった著者が10年以上を費やして書き上げた原書が出版されたのは2000年。日本では講談社から2004年に単行本が出され、映画公開を機に、早川書房から昨年末に文庫版が発売されています。 文庫版は上下巻にわかれていてかなりの大作なのですが、久々に夜を徹して読みふけってしまいました。手にしたきっかけは本書の翻訳者であり、本誌書評欄や「VOGUEと学ぶフェミニズム」で常々お世話になっている実川元子さんの「映画はエンターテイメントとしてとても面白い。ただ、原作はまたまったく別の角度で興味深いです!」という一言。映画はレディ・ガガ演じるパトリツィアとグッチ家の跡継ぎマウリツィオの出会いから