アメリカの現代バイオリニスト、ジョシュア・ベルが行なった実験がある。1席100ドルのコンサートを行う彼が3億5000万のバイオリンを人通りの多いニューヨークの地下鉄の路上で演奏すればどれくらいの人が足を止めるのか、というものだ。結果、数人が足を止めるがすぐに去り、帽子に小銭が35ドル、ジョシュアベルだと気づいた人は1人もいなく、拍手を送った人もいなかった。 人々は音楽そのものを純粋に評価できておらず、それに付随するもの、つまり音楽以外の情報に価値を感じている。ということがこの実験により明らかになった。 音楽を純粋に評価できているか。僕自身長い間このことについて考え、いまだ答えのでないテーマである。「ロックの金字塔!」って紹介される名盤が無数にあって(ほんまに金字塔乱用されすぎ。)それを手にした僕は「金字塔なんだから素晴らしいはずだ」という先入観を持って聴き始めるわけだ。「この名盤を否定する