若い作家はインターネットでの攻撃や全否定を恐れ、自主検閲しているのではないか。日本生まれの著名な英作家サー・カズオ・イシグロ(66)がBBCのインタビューで、懸念を示した。 「日の名残り」、「わたしを離さないで」などの作品で知られ、2017年にノーベル文学賞を受賞しているサー・カズオは、インターネットなどで世間に広がる攻撃的で否定的な空気を恐れる、「恐れの風潮」の中で、書きたいことを書かない人がいると警鐘を鳴らした。
若い作家はインターネットでの攻撃や全否定を恐れ、自主検閲しているのではないか。日本生まれの著名な英作家サー・カズオ・イシグロ(66)がBBCのインタビューで、懸念を示した。 「日の名残り」、「わたしを離さないで」などの作品で知られ、2017年にノーベル文学賞を受賞しているサー・カズオは、インターネットなどで世間に広がる攻撃的で否定的な空気を恐れる、「恐れの風潮」の中で、書きたいことを書かない人がいると警鐘を鳴らした。
『文藝春秋』2009年4月号の村上春樹さんへの独占インタビュー「僕はなぜエルサレムに行ったのか」より。 (2009年2月15日にイスラエルでエルサレム賞を受賞され、「壁と卵」のスピーチをされた村上春樹さんへの独占インタビューへの一部です。引用部はすべて村上さんの発言) 【ネット上では、僕が英語で行ったスピーチを、いろんな人が自分なりの日本語に訳してくれたようです。翻訳という作業を通じて、みんな僕の伝えたかったことを引き取って考えてくれたのは、嬉しいことでした。 一方で、ネット空間にはびこる正論原理主義を怖いと思うのは、ひとつには僕が1960年代の学生運動を知っているからです。おおまかに言えば、純粋な理屈を強い言葉で言い立て、大上段に論理を振りかざす人間が技術的に勝ち残り、自分の言葉で誠実に語ろうとする人々が、日和見主義と糾弾されて排除されていった。その結果学生運動はどんどん痩せ細って教条的
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