2009年8月に『日本「半導体」敗戦』(光文社)を出版したところ、極めて大きな反響があった。この本で記した日本半導体産業が凋落した原因と、そこから得られる教訓、復活への処方箋などを、より多くの人に知っていただきたい。そこで本コラムでは、『日本「半導体」敗戦』の内容を改めて整理すると同時に、出版時に盛り込めなかった話、最新情報などを加えて皆さんにお伝えする。 前回は、半導体技術者への聞き取り調査などをもとに、日本半導体が「過剰技術で過剰品質を作る病気」にかかっている根拠を具体的に示した。 では、日本半導体は、いつ、どうして、このような病気にかかったのだろうか? 今回は、前篇・後編の2回に分けて、日本半導体(特にDRAM)の栄枯盛衰の歴史を振り返り、「過剰技術で過剰品質を作る病気」の根源を突き止めたい。病気の感染源を特定することにより、最適な治療方法が判明すると思われるからだ。 前篇では、まず