日赤は3年前、献血キャンペーンに人気漫画の胸の大きな女性キャラクターを使った。献血会場でそのポスターを見た人が「この場にふさわしくない」と、SNSに写真付きで投稿したことをきっかけに、是非を問う論争になった。 「炎上CMでよみとくジェンダー論」の著者、瀬地山角東京大教授(58)=ジェンダー論=は、この漫画のファンに献血への関心を持ってもらおうとしたこと自体は「問題ではなかった」とする。その上で「性表現をどう受け止めるかは、個人の感覚の違いもある。不快と思う人がいる以上、皆が見る場所には置かないほうが良い」と指摘する。 ジェンダーを巡る「炎上」は古くからある。1975年には食品会社のCMで、女性が「私作る人」、男性が「僕食べる人」と言って批判された。瀬地山さんは「女性を応援したつもりだったが、性役割の押し付けになっていた例だ」と分析する。広告などで批判を受けるケースは、こうした性的役割分担の