吉祥寺プラザはJR吉祥寺駅から商店街を抜けて5分ちょっと、五日市街道沿いにある。「中学2年のときに友達と『名探偵コナン』を見た記憶が強く残ってる」。映画を見終えた杉並区の会社員古賀恒寿さん(41)は振り返った。隣には一昨年に一緒に「劇場版 呪術廻戦 0」を見た妻絹子さん(44)。「2人で来た劇場がなくなるのは寂しい」 吉祥寺プラザは1956年に「吉祥寺東映」として開館。216席あり、片岡千恵蔵らの時代劇や、高倉健の任侠(にんきょう)映画など東映の新作を上映した。97年、アニメに力を入れていた当時の支配人が、東宝関係者に「吉祥寺で『もののけ姫』をかける劇場がない」と相談され、劇場名を「吉祥寺プラザ」に変更してまで「もののけ姫」を上映。前日まで東映の「失楽園」が大入り満員という状況での決断は関係者を驚かせたとの逸話が残る。