「酵母の動きと火加減を合わせるのが難しい」と橋本敬子さん。手作りの石窯を使ってパン作りの試行錯誤を続ける=篠山市福井 福島第1原発事故の影響で、福島市で営んでいた天然酵母のパン店を閉め兵庫県篠山市に避難移住した橋本敬子さん(46)が、同市福井の自宅に石窯を手作りし、再びパンの製造販売を始めた。材料には一部、自家栽培する作物を使い、まきや竹でパンを焼く。「循環型の生活を大切にしたい」と新天地で再出発した。(井垣和子) かつてのパン店は福島県庁前の通りに沿った街の中心街にあり、14年間営業した。以前から原発に疑問を持っていた橋本さんは原発事故後、放射能測定器の貸し出しや講演会を開く市民グループの世話人を務めた。 活動の中で、福島の人のために行動する丹波地域の住民と出会い、市営住宅に自主避難者を受け入れていた篠山市に2012年2月、両親と共に避難移住した。同年4月には妹一家も合流した。 今