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ブックマーク / raytheory.jp (3)

  • ラクイラ地震 禁錮6年の有罪判決について(6) | Welcome to OKI's Website

    6.思うところ(1) 最後に私の感想をばらばらと書いておきます. 検察側が提示した国家市民保護局長官と州政府市民保護局長の電話音声を聞けば,行政側に「安全宣言を出す」という明確な意図があったのは明らかです.その点において,来であれば国民の命を守る立場である省庁の責任者がそれをまったく取り合わなかったのですから,なんらかの刑事責任が問われても仕方がないと思います. でも科学者については,刑事責任は重すぎると感じています.確かに,結果的には行政担当者の身勝手な思惑を科学の力でねじ伏せることができませんでしたし,むしろ利用されてしまった点は,犠牲者の命の重さを考えれば,軽率だったとも言えます.しかし,現在進行形で起きている事象に対して,しかも今の人類の英知ではなんの結論も出せないような状況においては,可能な限りの知見を提供し,「わからない」ということを表明するのが科学者としてもっとも誠実な態度

    navagraha
    navagraha 2014/11/12
    「まじめに研究をして,国に提言をしているだけで,こんな刑事罰を受ける可能性のある分野だと知れば,優秀な人材は集まって来なくなるのではないでしょうか」
  • ラクイラ地震 禁錮6年の有罪判決について(4) | Welcome to OKI's Website

    4.なぜ『安全宣言』になったのか これについては検察側が重大な証拠を提出してきました.国家市民保護局の長官であるベルトラーゾ氏と州政府市民保護局長であるスターティ氏との電話やり取りです.証拠音声では,安全宣言を出すという結論ありきで大災害委員会を開催すること,巷で予知情報を出している”お騒がせ野郎”を黙らせて市民の不安を落ち着かせよう,といったやり取りがなされています.このテープについては2012年4月にINGVで関係者にインタビューしたときに教えていただき,その後,NHK-BSで放送された『訴えられた科学者たち ~イタリア 地震予知の波紋~』であらためて拝聴しました. つまり,行政はパニック状態の市民をおさめるために,はなから安全情報を出すつもりだったこと,そしてそれは行政判断ではなく,科学者からのお墨付きという形で遂行することを,委員会を開催する前から決めていたのです. 委員会の開催に

    navagraha
    navagraha 2014/11/12
    「行政はパニック状態の市民をおさめるために,はなから安全情報を出すつもりだったこと,そしてそれは行政判断ではなく,科学者からのお墨付きという形で遂行することを,委員会を開催する前から決めていた」
  • ラクイラ地震 禁錮6年の有罪判決について(3) | Welcome to OKI's Website

    3.訴追された理由は『予知の失敗』ではない さて,日の多くのメディアが間違えた見出しで報告している,訴追の理由についてここで書いておきたいと思います.『予知失敗で禁錮6年』などという表現のまま,新聞やテレビで報道されていますが,予知の失敗ははじめから告発理由に入っていません.告訴された理由は,『地震が起きる前に,安全宣言を出したから』です. 2011年1月に,ラクイラ地震の遺族会のメンバーに会いに行きました.この時点で地震から2年近くが経過していましたが,愛する家族を失った悲しみはその時もそのままに感じられました.遺族らは2つの点において非常に憤っていました.ひとつは,地震が起こる可能性があったのに政府と委員会が『安全宣言』を発表したこと,2つめは,予知してくれなかったから裁判で訴えたと世界じゅうの人々に思われていることについてでした. 特に2点目については,「我々は予知ができないことく

    navagraha
    navagraha 2014/11/12
    「遺族らは2つの点において非常に憤っていました(略)地震が起こる可能性があったのに政府と委員会が『安全宣言』を発表したこと(略)予知してくれなかったから裁判で訴えたと世界じゅうの人々に思われていること」
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