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ブックマーク / lessor.hatenablog.com (11)

  • 「障害者の可能性」と「甘えるな」の奇妙な両立 - 泣きやむまで 泣くといい

    インタビュアーはかの北条かやさんである。 すべて説明されるがままに「そうなんですね」という感じのインタビュー。 日財団に言われると、福祉事業者はお世話になっているところが多いからみんな黙るしかない。うちも障害者作業所ではないけれど、施設改修で助成金を受けたことがあるし。不勉強で旧態依然とした支援から抜け出せない支援者がたくさんいることも認めよう。 それでも、支援者を育んでいかねばならない立場から書くと、障害者支援を志す人たちにビジネスセンスがないことはこんなに見下されなければならないことなのだろうか。そして、このような煽り方で現場を奮い立たせることができるのだろうか。 世間のイメージでは、障害者施設というのは、「だらしない格好で、髪の毛も整えないような人がうろうろして、バザーをしている場所」といったものだと。そんな施設が建つんだったら、僕だって反対しますよ。 つまり、ちゃんとした姿を見せ

    「障害者の可能性」と「甘えるな」の奇妙な両立 - 泣きやむまで 泣くといい
    navagraha
    navagraha 2017/10/26
    『で、このインタビュー記事はその「良い意味でのプレッシャー」として、支援者が「明日から頑張らねば」と思える内容になっているのだろうか?』
  • 「この子は障害児じゃない」が否定するもの - 泣きやむまで 泣くといい

    なんで「この子は障害児じゃない」とか軽々しく保護者に言う「事業所」があるのだろう。さらに親の育て方を責めはじめるとか、自分の理解を超えている。 「障害」を診断のように「客観的」な基準に基づこうとするものとしてとらえずに、個人の主観が入り込むことをひとまず認めるとしよう。その支援者からみて「障害児」でない子どもがいたとして、それを「障害児じゃない」ということにいったいどんな意味があるのか。 事業所に来るのは、親が悩んでいるからであり、子どもが困っているからだ。「障害じゃない」なら当事者の感じている困難さは幻なのか。親は「うちの子が障害児だから支援してほしい」と願っているわけではなく、ただ「困っているから支援してほしい」のである。 にもかかわらず、ただ「困っている」と訴えるだけでは十分な支えが得られずに、あれやこれやと責任を問われる。そこで、支援を得るための根拠として「障害」というラベルを徐々

    「この子は障害児じゃない」が否定するもの - 泣きやむまで 泣くといい
    navagraha
    navagraha 2015/04/13
    『「障害じゃない」なら当事者の感じている困難さは幻なのか。親は「うちの子が障害児だから支援してほしい」と願っているわけではなく、ただ「困っているから支援してほしい」のである』
  • 「足りない」彼女に救われる、ということ - 泣きやむまで 泣くといい

    どこかでお試し版の第一話だけを読んで「ふーん」と思うだけで済ませてしまっていた。考えてみれば、「このマンガがすごい!」の一位をとった作品がそんな他愛もない話のまま終わるはずがない。最後まで読まなければいけないマンガだった。 ちーちゃんはちょっと足りない (少年チャンピオン・コミックス・エクストラ もっと!) 作者: 阿部共実出版社/メーカー: 秋田書店発売日: 2014/05/08メディア: Kindle版この商品を含むブログ (9件) を見る ちーちゃんは中学2年生の女の子だ。おそらく「知的障害」の。 かぎかっこをわざわざつけたのにはもちろん理由があって、作品中でそのような言葉は一度も出てこない。割り算ができなくたって、漢字が読めなくたって、空気が読めなくたって、彼女は友人や家族に囲まれながら、明るく日常を送れている。もし医療機関に行けば、きっと診断名はつくだろうが、そのような必要は周囲

    「足りない」彼女に救われる、ということ - 泣きやむまで 泣くといい
    navagraha
    navagraha 2015/02/26
    『このときの「知的障害」の部分には、他のさまざまな「社会的弱者」が代入可能であり、支援はしばしば「偽善」扱いされる』
  • 子どもにとって集団ってそんなによいものだろうか。 - 泣きやむまで 泣くといい

    公園で子どもたちと全力の鬼ごっこをする。もちろん仕事で。 もう何年も続けてきているのだが、自分が主に関わっているのは特定の支援が必要な子どもである。年月が経つにつれて、周囲の環境は変わる。特に「お友だち」の顔ぶれは変わっていく。 公園でいっしょに遊んでいる子どもたちの中に「発達の気になる子」は他にもいて、うまくいけばみんなが正しく人との関わり方を学べる場になる反面、下手をすると互いに傷つけたり傷つけられたりするコミュニケーションが加速していく。 低学年のうちは同級生の集団でうまいぐあいにやれていたが、多くの子どもは年齢があがってくると公園では遊ばなくなる。自分の印象では、年齢があがってきたのに公園で遊び続けている子どもの中に「気になる子」は多い。発達の凸凹が見られることもあるし、家庭環境の問題が垣間見えることもある。 「気になる高学年」と「その他たくさんの低学年」が交わるようになってきたの

    子どもにとって集団ってそんなによいものだろうか。 - 泣きやむまで 泣くといい
    navagraha
    navagraha 2014/04/19
    『無条件に「集団」に投げ込むことが評価されて、それが社会的な包摂の象徴であるかのように言われる。(略)集団に入る「前段階」があるのではないか、と強く疑われることもない』
  • 見た目で「知的障害」と判断される、ということ - 泣きやむまで 泣くといい

    ガイドヘルプで知的障害の彼と、都会へ。 彼はそのいでたちから、なんとなく「違い」を感じさせる雰囲気をもっている。年齢相応の恰好だとか季節感だとかを意識するのは難しい、というか、彼のスタイルのようなものがある。裸の大将まではいかないが、今日は少し寒そうにも見えた。 店で買い物をするときがある。レジに行って、お札を1枚出せれば、たいていの買い物はうまくいくものだ。しかし、店員がいろいろ彼に話しかけることがある。だいたいポイントカードがどうのこうのという問いかけである。彼はうまく言葉で返せないが、なんとなく拒否を表すジェスチャーを身に着けてきた。店員はその雰囲気から察したのか、それ以上ごちゃごちゃとしたやりとりはせずに、淡々と品物を袋に詰めて彼に渡す。「たぶん知的障害の人だろう」という予測が瞬時になされて、その結果として円滑なコミュニケーションにつながっているとも言える(数メートル離れて立ってい

    見た目で「知的障害」と判断される、ということ - 泣きやむまで 泣くといい
    navagraha
    navagraha 2013/09/30
    『彼はその特性から「募金しますか」と聞かれれば、無条件に「募金します」と返事してしまう可能性が高い』
  • 「リード」をつけられて歩く子どもをはじめて見た - 泣きやむまで 泣くといい

    先週末のことである。これまで子どもと関わる仕事を続けてきて、街なかでも子どもの姿にはよく注意を向けてきたつもりだったが、「リード」をつけられて歩く子どもをはじめて見た。 リードとか「ハーネス」とか言うらしい。Amazonで調べてみると、幼児用にけっこうたくさんの商品が出てくるから、需要は高いのだろう。「迷子ひも」なんて呼び名もあるようだ。リュックサックにヒモがついたようなものもある。自分が見たのは、リュックなどがついていないために、もう当に「ヒモでつながれている」感じが目立つものだった。ヒモ部分も1メートルぐらいはあり、親子の身長差を補うというレベルでもない。 そのようなものを使うことがあるらしい、と聞いたことはあった。ネット上で調べると、実際に活用している親によるコメントも簡単に見つけられた。その内容はと言えば、想像通りで、「虐待だと説教された」「嫌味を言われた」など、周囲から否定的に

    「リード」をつけられて歩く子どもをはじめて見た - 泣きやむまで 泣くといい
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    navagraha 2013/06/05
    『知的障害や発達障害をもつ子どもの子育ては、原理的には多くの子育てと違わないが、方法レベルで違う「文化」を示す部分も多い』
  • 「愛されないから愛せない」と悩む母たちへのマンガ - 泣きやむまで 泣くといい

    やや刺激の強いタイトルのマンガがfacebookで紹介されてきて、amazonを見に行ったらレビューが星5つと星1つにまっぷたつ。自分の目で確かめてみようと思った。 母親やめてもいいですか 作者: 山口かこ,にしかわたく出版社/メーカー: かもがわ出版発売日: 2013/03/01メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログ (6件) を見る いわゆる「コミックエッセイ」である(定義はよくわからないが)。発達障害をもつ子どもの母親自身が描いたマンガやはこれまでにもたくさんあり、その多くは子育て中の保護者(特に母親)が知識を得たり、共感を覚えたりするような内容を目指していたと思う。マンガにすることでが苦手な人も手にとりやすくなる。 「こういうことって、あるある」「自分だけじゃないんだ」という共感は、親にとって単なる気休めではない。私的な体験と思われていた苦労が、「みんな」にとっ

    「愛されないから愛せない」と悩む母たちへのマンガ - 泣きやむまで 泣くといい
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    navagraha 2013/03/29
    『「障害がなくなってほしい」と願うことでしか「自分は子どもを愛している」と実感できない親に対しても、「幻」から解き放たれるための支えと時間が必要』
  • 「6.5%に発達障害の可能性」とは言うけれど - 泣きやむまで 泣くといい

    一読して、誤解というか、偏った理解を招きかねないよなあ、と。 小中学生の6.5%に発達障害の可能性 4割は支援受けず(日経済新聞) http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0404C_V01C12A2000000/ 前回の調査は2003年だった。そのときにはじめてはじきだされた「6.3%」という数字は、強いインパクトをもって広まっていったのだが、この数字は「支援が必要な子どもがこんなにたくさんいる」という評価と「個性的な子どもたちが『障害児』としてラベリングされている」という評価を両方生んだ。調査において回答しているのが「教員」なのて、回答結果にばらつきが避けられないことも影響している。おそらく今回の結果も、さまざまな立場によって自説を裏付けるために使われるのだろう。 日経の記事では「学習障害(LD)の可能性があるのは4.5%」「注意欠陥多動性障害(A

    「6.5%に発達障害の可能性」とは言うけれど - 泣きやむまで 泣くといい
    navagraha
    navagraha 2012/12/06
    「調査結果の本文中で、子どもたちに対してこれらの診断名(障害名)は全く使われていない」
  • マクドナルドさん、メニュー表を無くさないでください - 泣きやむまで 泣くといい

    かなりの数の関連ツイートがあるようなので、togetterでまとめられたらよかったのだけれど、はじめてで扱い方がよくわからなかったのであきらめて自分の言葉で書く。 McDonalds_infor 【日から】レジの所のメニュー表がなくなります.入口においてあるメニュー表や,レジ上部にあるメニューをご覧になり,ご注文をお決めになってから,カウンターにお進み頂ければと思います.最初は戸惑う事もあるとは思いますが,どうぞご協力よろしくお願い致します. 2012.10.01 07:01 twitter https://twitter.com/McDonalds_infor/status/252528620839505920 公式アカウントからのツイートではないようだ。しかし、どうやら関係者からの発信ではあるようだし、既に「今日マクドナルドに行ったら、確かに無かった」という声がたくさん聞かれるので

    マクドナルドさん、メニュー表を無くさないでください - 泣きやむまで 泣くといい
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    navagraha 2012/10/02
    『バリアフリーに例えれば「平らだったところにわざわざ段差を作る」ようなもの』
  • 「病気じゃなくて、障害です」に込められた意味は - 泣きやむまで 泣くといい

    なんとなくYahooのトップに障害関係の記事が出ると、何かしらのコメントをつけなければいけないような気がする(自意識過剰)。 「自閉症」表現でおわび=テレ朝「Qさま!!」 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120516-00000097-jij-soci テレビ朝日のクイズバラエティー番組「Qさま!! 」で、自閉症の表現に問題があったとして同局は16日までに、番組ホームページでおわびと訂正を行った。 同局によると、14日の放送で、先天的な脳の機能障害と考えられている自閉症を、「ここ10年で患者数が増えている病気を選びなさい」という問題の正解の一つにした。同時に使ったイラストも誤ったイメージを与える表現だったという。 要するに「病気じゃないものを病気と言ってしまってごめんなさい」ということであるらしい。ところが、Yahooでこのニュースを取り上げた複数の

    「病気じゃなくて、障害です」に込められた意味は - 泣きやむまで 泣くといい
    navagraha
    navagraha 2012/05/17
    『「病気じゃなくて、障害である」とは「社会の側が必要な配慮をすることによって、暮らしやすくなる(部分が大きい)」というメッセージだ。それは「あなたにもできる支援があるかもしれない」ということでもある』
  • 「大人の発達障害」はこうして個人化される - 泣きやむまで 泣くといい

    Yahooのトップページに出た記事はすごく多くの人の目に触れるわけで、やはり注意を促しておかないといけない。ましてや、過去に「発達障害」関係でいろいろと困った記事を載せてきた産経新聞では、なおさらである。 増える大人の発達障害 仕事に支障、ひきこもりも http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120110-00000085-san-soci ざっと読むと穏当な記事のようにも見えるが、この記事でいったい何を伝えたいのかを考えながら丁寧に読めば、迷惑なメッセージがひっそりと織り込まれているようにも思う。 社会モデル的な障害観が見られないのはいつものことなのだが、真っ先に「発達障害者支援法」「行政の支援」に触れているので、なんだか当事者のしんどさに寄り添おうとしているかのように見える。 そうして読み進めると「大人の二次障害」が大きく取り上げられていく。なぜ「大人の

    「大人の発達障害」はこうして個人化される - 泣きやむまで 泣くといい
    navagraha
    navagraha 2012/01/11
    『発達障害の「社会性の困難さ」は、すべて当事者の側に回収させられている。当事者によるコメント部分だけを差し引いて読み返してみれば、執筆者の言いたいことは鮮明になるだろう』
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