ようやく妊娠したけれど、無事に生まれてきてくれるだろうか。障がいの可能性がわかる検査を受けるべき? そんな不安や迷いを抱えて出産に臨む女性は少なくない。5年前に『新型出生前診断』(NIPT)が始まって以来、多くのメディアがこれを取り上げ、賛否両論の議論を巻き起こしている。 40歳以上の出産は高リスク 小児科医・小児外科医として命の現場に立ち会ってきた松永正訓(ただし)先生は、出産をめぐる最近の傾向について、こう指摘する。 「30歳を越えてやっと第1子を授かる時代になって、高齢出産する親が極端に二分化しているように感じます。一方は、妊娠のチャンスが減っているからこそ、完璧なベビーを強く望む。もう一方は、せっかく授かったのだから、どんな命でも育てようと受け入れようとする」 高齢出産はさまざまなリスクを伴う。それは、前述したような母体への健康だけでなく、生まれてくる赤ちゃんの染色体異常として現れ