「乗車拒否」ブログが反響を呼んだ障害者のコラムニスト・伊是名夏子さんは、バリアフリー法や障害者差別解消法を根拠に、無人駅への降車をもとめた。 たしかに、誰もがいつでも平等に移動するため、法律はその助けとなる。しかし、法は万能とは言えず、限界もある。 社会保障法を専門とする上智大学法学部の永野仁美教授に、法的な問題について詳細に解説してもらった。(編集部・塚田賢慎) ●「乗車拒否問題」の経緯を振り返る 永野教授の解説の前に、まずは、「乗車拒否問題」を振り返ってみよう。伊是名さんは「JRで車いすは乗車拒否されました」との記事で、事前連絡なしで、無人駅のJR来宮駅に下車するため、小田原駅の駅員とやりとりをした経緯を伝えている。 駅員から「来宮駅は階段しかないのでご案内ができません。熱海まででいいですか?」と言われたことで、次に、3〜4人の駅員を集めて、階段を持ち上げてほしいと頼んだところ、今度も