3 刀への向き合い方 <日本人の自然哲学> 日本人は、命の尊さを四季の変化の美しい日本列島の自然の中からしっかり学んできた民族だと思います。その考えを代表しているのが神社です。いわゆる神道です。神域に来て、お社に向かって手をあわせることで、気持ちが安らぎ、大きな力によって守られるという考えが、昔からあるんですね。そういう形で日本の神々は日本人を守ってきました。今は神社も宗教法人とされていますが、本来の意味で神道は他の宗教とは異なると思います。キリスト教もイスラム教も一神教ですので、全てのものに神が宿るという神道とは異なります。神道の本義とは清く明らかなるという事で、静かな落ち着いた透明感のあるものが神道であり、それはまさに日本の自然そのものです。八百万の神といわれるように、そこらじゅうに神様が存在し、その中に人間も自然の一部として生かされているという考え方です。今の方向とは全く逆です。今は