2023年度リクルート エンジニアコース新人研修の講義資料です
組織内のメンバーを「リソース」として見始めると、それを100%使い切ることにばかり注力してしまいます。リソースの稼働率を下げることは、すなわち、生産性を下げること。マネージャーは、まるで強迫観念に取り憑かれたように、そのような考えに囚われます。 自社でのソフトウェアプロダクト開発において、その対象は特に、開発者に強く向けられます。その理由は明らかでしょう。バックログに積み上がり続けるアイデアをソフトウェアに変えられるのは、開発者だけです。より多く、できる限り早く、アイデアを市場投入したい。彼らに空き時間という無駄を作らせてしまうわけにはいかない。 しかし、そのような努力が、必ずしも良い結果につながるとは限りません。むしろ、開発者の稼働率を高めすぎたことが、リードタイムに悪影響を与えているかもしれないのです。そして言うまでもなく、アイデアの市場投入が延びれば延びるほど、ユーザーにとってもビジ
アジャイルプラクティスマップはアジャイル開発においてよく使われるプラクティスを鉄道の路線図の形式でまとめたものです。単なる用語集とは違い、二次元で視覚的にプラクティスの位置づけを理解することができます。またアジャイル開発で用いられる各種手法の関連性をつかむことができます。 過去にも、Agile Alliance からアジャイルプラクティスの地下鉄地図(Subway Map to Agile Practices)が公開されるなど、多くの路線図形式のマップが存在しますので、このサイトはさながら Yet Another Agile Practices Map ということになります。 Agile Studio の識者たちにより、過去の歴史を踏まえたアジャイルのトリビアとも呼ぶべき豆知識も充実させました。 マップでは、「手法」を路線で、「プラクティス」を駅で示しています。プラクティスによっては、いく
数年前にAIを離れ現在はフロントエンドをやっているのですが、半年くらい前に思い切り引き戻されました。画像生成AIにおけるmidjourneyとstable diffusionの登場です。noteのCTO深津さんが記事を出したと思ったのも束の間、急速に進化を果たしました。 絵柄の固定・ポーズの指定・マシンスペックなど、日々さまざまな問題を解決しながら新たな技を身につけています。 しかし、同等かそれ以上に話題になっているのは大規模言語モデル(Large Language Model)かもしれません。ChatGPTが話題になった思ったら、BingやPerplexity,You.comなど大規模言語モデルを交えたサービスが次々と登場しました。 活用方法もたくさん見つけられており、私は特に以下の二つの記事が好きです。 「感情回路」の記事に入力(プロンプト)でここまで変わるのかと感動したことを覚えてい
先日のRSGT2023で以下の発表がありました。「自分がそれほどプロダクト開発に興味がないことに気づく」は自分自身にも心当たりがありますし、プロダクト開発チームのリアルを言語化した発表だと思いました。この発表では、そうした言語化を受けてどうするのかについては深く触れられておらず、回答は聴衆に委ねられていることから、さらに議論を広げてみようと思います。 実際問題、真に興味を持つのは大変 現代のプロダクトマネジメントは、ひとつの深遠な専門領域になっていると思います。「本が1冊書ける」なんてレベルではありません。何百冊、何千冊と書ける世界です。そうした専門知識を組み合わせ、市場とユーザーとプロダクトを徹底的に分析し、データに基づいて仮説検証を繰り返し、それを自分のプロダクトに接続する方法を捻り出して、ようやく少し尤もらしい方向に近づきます。とても過酷な領域です。 ここにエンジニアが越境して興味を
秋のブログ週間の9本目のエントリーになります。この企画もこんなに書く人が出てくるように育っていいですね。 「中間層を増やして柔軟性を高めるのがソフトウェアの歴史」 これは大学時代に2つ上の先輩が言っていた言葉です。例えばマシン語を直接書くのではなく、アセンブラで書けば、変換(コンパイル)の手間はかかりますが、他のCPUへの移植はしやすくなります。高級アセンブラと名高いC言語を使えばさらに移植性は上がります。C言語で書かれたVMを使う言語、例えばJava、Python、Rubyなんかはさらに移植性は上がります。 ストレージもそうです。最終的にストレージはビット列を保存するものですが、それにOSのファイルシステムというレイヤーがあり、そこにスキーマで管理されたデータを入れるDBMSが乗っかり、SQLなどの問い合わせ言語でデータ取得できるようにします。DBMSを挟むことで、レプリケーションでバッ
スピーディにテストケースを再利用するノウハウや技術、そしてテストの「実行」ではなく「設計」の自動化に着目したアプローチ法について考える「品質か?開発スピードか?大規模アジャイル時代の品質確保」。ここで株式会社ベリサーブの朱峰氏が登壇。続いて、現在の時代とアジャイル開発について話します。前回はこちらから。 このスライドはいったい何を示したものでしょうか? 朱峰錦司氏:アジェンダを踏まえて本題に入ります。今日の私の話の6割ぐらいは、基本的には一般論です。もしくは「私はこう考えています」という話です。そこに私の経験を30パーセント加えます。この発表の中だけでなく、事前にいくつかピックアップした質問にも後半で答えようと思っています。最後の10パーセントはちょっとだけ宣伝要素があります。ぜひ聞いてください。 では中身に入ります。話の前に、1つだけみなさんにクイズを出します。制限時間は1分間です。した
Docker創始者らが開発、ビルド/テスト/デプロイの自動化をポータブルにするツール「Dagger」登場。そのままローカルでもGitHubでもCircleCIでも実行可能に Dockerの創始者であるSolomon Hykes氏らが中心となって開発しているオープンソースのCI/CD環境構築ツール「Dagger」が公開されました。 Windows、Mac、Linuxで試すことができます。 And we are live! Introducing Dagger, a new way to build CI/CD pipelines. By the creators of Docker. https://t.co/DU8racmoUo — dagger (@dagger_io) March 30, 2022 Daggerが定義したCI/CDパイプラインはポータブルになる Daggerとは「A P
要約 「英語で意見を言おうとすると5歳児のようになってしまう」という課題を解決するEnglisterというサービスを開発した。 自分で使ってみたところ、10問程度の問題を解くだけでスラスラと英語で意見を言えるようになった。 実装はDeepL APIとNext.jsのAPI routeを使って爆速開発をした。 追加(2021/01/18) 記事を公開してから毎日機能追加をしています。2週間前からどれだけ変わったか是非見ていただきたいです。 背景にあった課題 「英語で意見を言おうとすると5歳児のようになってしまう」 英語にすごい苦手意識があるわけではない。TOEICは840点で、すごく簡単な日常会話なら問題なくできるので、海外旅行で困るということはなかった。しかし、仕事でたまに海外の人とやりとりをするときや外資系企業の英語面接で**「ちょっと難しい質問」**をされると、途端に5歳児になってしま
はじめに 本稿は、日経クロステックにて筆者が昨年連載していた3回分の記事一部変更して1つにまとめたものです。 https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01394/ 有料記事として配信されておりますが、無料でも閲覧できるようにということで日経クロステック様に許可を得てQiitaにも掲載しています。 第1回:技術的負債はなぜ生じるか。 第2回:ソフトウエア開発を「制御」する意外な処方箋 第3回:技術的負債への取り組みはなぜ「2つのDX」につながるのか。 第1回:技術的負債はなぜ生じるか。 年間12兆円ものマイナスの影響をもたらす技術的負債(あるいはレガシーシステム)はどのように生まれるのでしょうか。それを防ぐ方法はあるのでしょうか。第1回は、技術的負債をとりまく歴史をたどりながら、ソフトウェアエンジニアではない人にも理解できるようにその正体に迫り
著者のDaniel Bourke氏はオーストラリア在住の機械学習エンジニアで、同氏が公開したさまざまな機械学習に関する記事はMediumでも人気があり、その一部はAINOWでも紹介してきました(同氏の詳細は公式サイトを参照)。同氏が最近Mediumに投稿した記事『世界の最大手企業は機械学習を活用したアプリケーションをどのように設計しているか』では、世界的な大手テック系企業が機械学習システムの設計に関して定めたガイドラインが解説されています。 機械学習を活用したアプリ開発がさかんになるにつれて、そのようなアプリ開発に対して同じようなアプローチが有効なことに気づかれるようになりました。そこでBourke氏は、機械学習を活用したアプリ開発に共通した設計指針を明らかにするために、Apple、Google、Microsoft、Facebook、そしてSpotifyの設計ガイドラインを調べてみました。
本書は、"Jonathan Rasmusson. Competing with Unicorns: How the World's Best Companies Ship Software and Work Differently. The Pragmatic Programmers, LLC, 2019. 978-1-68050-723-2"の全訳です。著者の訳書は『アジャイルサムライ』(オーム社、2010年)、『初めての自動テスト』(オライリー・ジャパン、2016年)に続く3作目です。 本文中では明示されていませんが、本書の対象読者について、著者は出版後のインタビュー記事で次のように語っています。「業務としてソフトウェアデリバリーに関わっている人たち(開発者、テスター、デザイナー、マネージャーなど)なら誰でもだけど、本当の対象読者は経営リーダーを始めとした、チームをプロダクトやソフトウ
株式会社アースホールディングスは3月19日、写真を撮るだけで、AI(人工知能)が似合う髪型と似ている芸能人を診断するアプリ「AI STYLIST」をリリースした。 AI STYLISTは、スマートフォンのカメラで写真を撮るだけで、顔立ちや顔型をAIが分析し、似合う髪型を提案するサービスだ。男女どちらにも対応している。価格は無料。現在はiOS版のみで、Android版も開発予定だ。 >>プレスリリース 現役高校生がディープラーニングを使った独自のAIを開発AI STYLISTをリリースするアースホールディングスは、美容室「HAIR&MAKE EARTH」などを運営している。 プレスリリースによれば、「春はイメージチェンジをしたいと思う人が増える時期。ヘアスタイルを変えてみよう!という方も多くいます」という。その際に、AI STYLISTを使えば理想の髪型を見つけられるそうだ。美容室を運営する
ありがとうございました #未踏— arailly (@arailly_) 2020年2月15日 2019年度の未踏が終わったのでこの1年を振り返ります. 未踏とは 未踏期間で作ったもの 未踏期間でやったこと サーバーレスアーキテクチャとは なぜサーバーレスか サーバーレスを採用した本音は 実装したアーキテクチャ サーバーレスを使い込んだ感想 いいところ 辛いところ 未踏を振り返って 頑張ったこと 未踏のいいところ 残念だったところ 最後に 未踏とは IPA(情報処理推進機構)が行なっている「未踏IT人材発掘・育成事業」のことです. 「未踏事業」は、ITを駆使してイノベーションを創出することのできる独創的なアイディアと技術を有するとともに、これらを活用する優れた能力を持つ、突出した人材を発掘・育成することを目的としています。 未踏事業ポータルページ:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 ざ
こんにちは、Wantedly の Infrastructure Team で Engineer をしている南(@south37)です。 先日、gRPC 関連で2つのブログを書きました。「gRPC Internal」では、ドキュメントやコードを読み解くなかで見えてきた「gRPC の設計と内部実装」についてブログを書きました。「Real World Performance of gRPC」では、Wantedly で実際に gRPC を利用することで達成できたパフォーマンス改善についてブログを書きました。 こんにちは、Wantedly の Infrastructure Team で Engineer をしている南(@south37 )です。 今日は、WANTEDLY TECH BOOK 6 から「gRPC Internal」という章を抜粋して Blog にします。 「WANTEDLY TECH
2012年に Heroku のエンジニアによって提唱された「The Twelve-Factor App」は素晴らしく,アプリケーションをうまく開発し,うまく運用するための「ベストプラクティス」として知られている.2020年になった現在でもよく引用されていると思う.日本語訳もある. 12factor.net Beyond the Twelve-Factor App とは? クラウド化が進むなど,提唱された2012年と比較すると技術的な変化もあり,今までの「The Twelve-Factor App」で宣言されていた観点以外にも必要な観点やベストプラクティスがあるのでは?という意見もある.そこで,2016年に Pivotal のエンジニアが「Beyond the Twelve-Factor App」を提唱した.The Twelve-Factor App にあった「12項目をアップデート」し,新
Kubernetes・Knativeを用いたプライベートクラウドの実装 たった5人で130クラスタ、2,000超ノードを開発・運用する仕組み Cloud Native Challenges in Private Cloud with K8s, Knative #2/2 2019年11月20、21日の2日間、LINE株式会社が主催するエンジニア向け技術カンファレンス「LINE DEVELOPER DAY 2019」が開催されました。1日目は「Engineering」をテーマに、LINEの技術の深堀りを、2日目は「Production」をテーマに、Web開発技術やUI/UX、プロジェクトマネジメントなど、より実践的な内容についてたくさんのプレゼンテーションが行われました。「Cloud Native Challenges in Private Cloud with K8s, Knative」に登
はじめに#Windows には他の OS には無い致命的な問題が一つあった。そう、OS 標準のパッケージマネージャが無いことだ。 Windows10 ではPackageManagementという大変素晴らしい OS 標準のパッケージマネージャが搭載された。 これでコマンドラインだけで開発環境をガンガン作れるに違いない。そう考える人がいてもおかしくはない。正直、僕だってそう思いたい。 PackageManagement の問題点#僕は PackageManagement のアーキテクチャが難しすぎる事は大きな問題だと考えている。このエントリを是非読んで欲しい。 Introducing PackageManagement in Windows 10もうね、何でこんなに大変なことになってるのかと。 いや、歴史的経緯を鑑みつつ、OS に標準搭載されるパッケージマネージャが持つべき仕組みをキチンと備
こちらの記事は、Indrek Lasn 氏により2017年 12月に公開された『 The Secret to Being a Top Developer Is Building Things! Here’s a List of Fun Apps to Build! 』の和訳です。 本記事は原著者から許可を得た上で記事を公開しています。 著者Twitter https://twitter.com/lasnindrek 少し考えてみてください。あなたがもし健康に関する書籍をたくさん読んだとしても健康になることはありません。実際には、ジムに行き数時間運動をして汗をかかなければ健康は手に入りません。 同じことが開発にも言えます。努力なしに優れたデベロッパーになることはできないのです。 そこで、コーディング力を鍛える8つの素晴らしいプロジェクトを紹介します。 あなたの好きなテクノロジースタックを使っ
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