日本維新の会の鈴木宗男参院議員は10日のBSフジ番組で、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化を巡り「何があってもロシアは負けない。大国で基礎体力がある」と述べた。欧米諸国の対露経済制裁についても「ロシアは困っていない。冷静に見るべきだ」と強調。欧米と足並みをそろえる日本政府に関し「米国の言いなりにな…
深刻化する地球温暖化問題を背景に国策として普及してきた再生可能エネルギー。しかし今、太陽光や風力でつくった電気を使わない出力制御が九州地方で深刻化している。「太陽のくに」と形容され、日照条件の良い九州では太陽光の導入が加速。一方、原発も4基が稼働しているため、結果として使い切れない再生エネがムダになっている格好だ。 原発5基分の電気を「捨てた」日 今年3~5月の九州電力管内の出力制御を同社の公表資料をベースに毎日新聞が集計したところ、原発5基分に相当する500万キロワット超の抑制を実施した日が9日間あった。2月までに日本で実施された1日の出力制御で最も規模が大きかったのは同社が2021年4月18日に実施した382万キロワットだった。500万キロワット超の出力制御を行った9日間は天気の良い休日が大半で、多くの人が外出したことで電力需要が普段より低かったことが原因とみられる。 電気は発電する量
「卵はもう以前の価格には戻らないだろう」――。卵問題に詳しい元東京農業大教授の信岡誠治さん(70)はそう予想する。鳥インフルエンザの感染拡大などをきっかけに、例年にない高値が続く卵。いつかは下がると多くの消費者は願っているだろうが、そうはならない事情があるという。「物価の優等生」と呼ばれてきた卵に今、何が起きているのか。【聞き手・宇田川恵】 中国の大量輸入に始まった餌代の高騰 ――卵の価格の高騰は鳥インフルエンザの感染拡大による供給量の減少などが原因ですね。 ◆それもありますが、一番の要因は鶏の餌代の高騰です。それは2020年に中国がトウモロコシの大量輸入に乗り出したことから始まりました。21年には中国の輸入量は約3000万トンに上り、一気に世界最大の輸入国になったのです。中国はそれまでトウモロコシをほぼ自給していました。その政策は変わらないとみられていたため、世界は衝撃を受けました。 ―
日本や中国が人口減少に悩む中、人口が急増しているのがアフリカだ。西部ニジェールは合計特殊出生率が6・82と世界最高で、女性1人が生涯に7人近い子供を産む。人口はこの20年間で倍増して約2600万人になった。多くの国民は子宝を発展と繁栄の象徴として歓迎するものの、厳しい現実にも直面している。 首都ニアメーは大通りから一歩入ると未舗装の道路が目立つ。5月上旬、近所でも評判の子だくさん家族がいると聞き、粗末な日干しれんがの家が並ぶ地区を訪れた。父親のアマドゥ・マヌさんは自分でも正確な年齢が分からないが70歳くらい。50年以上前に最初の結婚をし、4人の妻がいる。「イブラヒム、ムクタール、アブバカル、ムスタファ、アブイシャ、メイラマ、ファトマ……。子供は26人だ」 ところが親族を交えて詳しく確認すると、実際には29人だった。病気などで亡くなった子も別に10人いて、合計で39人。半年前にも1人生まれた
箱根温泉(神奈川県箱根町)の源泉地・大涌谷の名物「黒たまご」。地熱と火山ガスの化学反応を利用し調理される=木村凜太朗さん提供 箱根の景勝地・大涌谷(神奈川県箱根町)には、湧き上がる温泉でゆでて蒸した名物「黒たまご」がある。卵の殻はなぜ黒くなるのか。長年にわたり信じられていた「定説」を、一人の中学生の疑問と熱意が覆した。 町立郷土資料館によると、黒たまごの詳しい歴史は不明だが、1956年発行の岩波写真文庫(岩波書店)に、すでに当時名物だったとの記載がある。 黒たまごを製造販売する奥箱根観光(同町)によると、大涌谷の標高約1400メートルにある約80度の温泉池「たまご池」で、生卵を約1時間ゆで、湧き上がる約100度の蒸気で15分蒸すと、殻が真っ黒な黒たまごができあがる。大涌谷には複数の温泉池があるが、ゆでると黒くなるのは、たまご池だけだという。 大涌谷の蒸気には、二酸化硫黄や硫化水素などの火山
バレエ公演の幕あいに劇場内のビュッフェで列を作る人たち=ロシア北西部サンクトペテルブルクで2023年6月9日、大前仁撮影 英専門家、その強じんさを分析 ロシアのウクライナ侵攻から1年以上が経過し、欧米のロシアへの制裁が続いている。だが、ロシア経済は持ちこたえ、戦闘が収束する気配はない。ロシア経済を分析する英コンサルティング企業「イースタン・アドバイザリー・グループ」代表のリチャード・コノリー氏は、ロシア経済の耐久力をロシア製自動小銃にたとえて「カラシニコフ経済」と呼ぶ。コノリー氏へのウェブインタビュー前編は、ロシア経済の現状と強じんさの秘密に迫った。【聞き手・ブリュッセル宮川裕章】 後編・「国家も国民も環境に順応」 ――ロシアの2023年1~4月期の財政収支は約3・4兆ルーブル(約5・5兆円)の赤字でした。ただ、財政負担の増加はウクライナ侵攻の歯止めにはなっていません。 ◆赤字の背景には軍
「42」を日本に誘致したDMMグループの亀山敬司会長=東京都港区で3月16日午後4時49分、加藤美穂子撮影 教師も教科書も存在しない実力主義の「42Tokyo」。もともとパリ発祥のエンジニア養成機関だが、なぜ日本に開校したのか。 連載の上では、「42Tokyo」で何を学べるのか、生徒たちの声を集めました。 学歴社会を覆す仕組み、日本でも 「面白い仕組みを広めるのが、俺の仕事だ。珍しく、金もうけしていないからさ」。こう話すのは、「42」を日本に誘致したDMMグループの創業者である亀山敬司会長だ。フランス校の始まりにならって、亀山氏は50億円超の私財を投じ、「42Tokyo」を開校させた。 ビジネスを学びたい若者がDMMの給与をもらいながら、好きなことに挑戦できる私塾「DMMアカデミー」(2016年、現在は終了)を作るなど、もともと「人への投資」を積極的にしてきた亀山氏。新たな「投資」候補とし
<右>卒業式に臨んだ際の髪形=保護者提供(※ピアスの穴を開けたのは卒業後)<左>編み込みをほどいた普段の髪形=兵庫県姫路市で2023年3月9日午後0時15分、幸長由子撮影 兵庫県姫路市の県立高校が2月に開いた卒業式で、3年の男子生徒(18)=当時=が髪形を理由に卒業生用の席に着席することを認められなかったことが判明した。 「友人との3年間を締めくくる思い出づくりができなかった」。黒人である父のルーツを踏まえた髪形だったが、学校側の答えは「校則違反」。多様な背景を持つ子どもが増える中、専門家は「子どもを抑え付けるのではなく人権尊重を」と呼び掛けている。 教師「校内から出てくれ」 生徒は卒業式を「特別な日」と考え、巻き毛である髪質でも整って見えるよう髪を編み込んだ。「コーンロー」と呼ばれ、アフリカにルーツを持つ黒人文化の伝統であることをインターネットで調べ、父親からも話を聞いていた。 父親によ
多額の借金や強制帰国への恐れなど、技能実習生たちが置かれた実情を訴える海北由希子さん=熊本市中央区で2023年3月17日午後1時40分、栗栖由喜撮影 熊本県芦北町で2020年11月、死産した双子の遺体を遺棄したとして死体遺棄罪に問われたベトナム人の元技能実習生、レー・ティ・トゥイ・リン被告(24)の上告審で、最高裁第2小法廷(草野耕一裁判長)は24日、判決を言い渡す。懲役3月、執行猶予2年とした2審・福岡高裁判決が見直される可能性があり、支援者は期待を寄せる。一方、事件の背景には、実習生が置かれた厳しい現実が横たわる。 「私は産みたかったです」。22年4月、最高裁に上告趣意書を提出した日の記者会見でレー被告が力強く語った姿を、市民団体「コムスタカ―外国人と共に生きる会」(熊本市)の海北(かいきた)由希子さん(54)は覚えている。事件後から交流を重ね、支援活動を続ける中、こう信じている。「そ
岸田文雄首相が掲げる「異次元の少子化対策」の3本柱の一つが、保育をはじめとする子育て家庭向けサービスの充実だ。これまでは待機児童解消のため、保育施設の「量の拡大」が喫緊の課題だったが、保育の「質の向上」を図るため保育士の配置基準を引き上げようという機運が、保育団体の間で高まっている。終戦直後に定められた基準の改善はかなうのか。 丁寧に見る余裕なく 「『待って待って』『だめだめ』と常に子どもに言っていた。表情や言葉を丁寧に見たり聞いたりする余裕はなかった」。神奈川県内で働く保育士の女性(57)は、数年前まで勤務していた保育所での激務を振り返る。 定員100人規模の保育所に勤務し、2歳児15人を3人で担当していた。国の配置基準では1~2歳の園児6人に対して保育士1人。基準は満たしていたが、ぎりぎりだった。子どもをトイレに連れて行く余裕もなく、おむつを卒業するトイレトレーニング中の子どもに、やむ
ロシアによるウクライナ侵攻からまもなく1年。国際秩序はどのように変わり、混迷の先には何が待ち受けているのか。国内外の識者に問う。英ケンブリッジ大名誉フェロー、ドミニク・リーベン氏の分析を聞いた。 帝国の崩壊後、紛争避けられず ソ連建国の指導者だったレーニンが唱えた定義には当てはまらないが、この連邦国家は高尚なイデオロギーを掲げ、広い地域から構成され、高度な文化を持っていたことからも、帝国と呼ぶのにふさわしかった。現在、ロシアとウクライナの間で続く戦闘はおぞましい限りだが、ソ連という帝国の解体に伴い起きた事象だと考えると、より適切に理解できる。 歴史を振り返ると、帝国の崩壊後に一定の時間が過ぎてから、隣り合わせにいた国や勢力が争う事例は後を絶たない。最もうまく「帝国の崩壊」に対応してきた英国の場合でさえ、アイルランド、パレスチナという過去の植民地で紛争が起こった。最悪の事例は、共に核を保有す
衆院本会議で質問をする自民党の茂木敏充幹事長。奥右は岸田文雄首相=国会内で2023年1月25日午後2時7分、竹内幹撮影 子どもの多い世帯ほど所得税が軽減される「N分N乗方式」という耳慣れない少子化対策の導入を求める声が与野党から出ている。フランスで一定の成果を上げ、日本でも少子化を食い止める「妙手」になる可能性があるからだ。ただ、自民党では6年前に有志の勉強会で議論したが、立ち消えになった経緯がある。なぜ今、この案が再浮上したのか。 維新、国民民主の取り込み狙い? 火付け役は、自民の茂木敏充幹事長だった。「第二次世界大戦後のフランスでは、少子化による国力の低下がドイツの侵略を許したという反省から、家族の人数が増えれば増えるほど減税につながるN分N乗方式という画期的な税制を導入した」。茂木氏は1月25日、衆院本会議の代表質問で、児童手当の所得制限撤廃の提案と併せて、N分N乗の制度を紹介した。
バナナは常にフルーツ売り場の主役だ。安売りの目玉になることも多い=東京都内で2021年1月31日、赤間清広撮影 日本人の国民食と言ってもいいバナナ。常に価格が安定し「物価の優等生」とも呼ばれている。しかし、日本の輸入量の8割近くを占めるフィリピンでは、バナナ農家の困窮が問題になっているという。現地で一体、何が起きているのか。 不平等契約を強いられる生産者 「日本でバナナは一年中、スーパーにあって、しかも安くて当たり前。だが、それを支えるため、生産者は過酷な労働環境を強いられている」。こう語るのは、フィリピンのバナナ生産者を支援するNPO法人APLA(アプラ)の野川未央事務局長だ。 国内ではアプラや、アジア太平洋資料センター(PARC)といった支援団体が中心となり2018年から、生産者の労働環境などに配慮した持続可能な農法で作られたバナナの普及を目指す「エシカルバナナ・キャンペーン」を展開し
岸田文雄首相が模索しているウクライナの首都キーウ(キエフ)訪問案に、関係省庁が身構えている。ロシアの侵攻を受けているウクライナに政府要人を派遣していないのは主要7カ国(G7)では日本のみ。首相は5月に広島で開かれるG7首脳会議(サミット)までに訪問し、G7議長国としてウクライナと連帯する姿勢をアピールしたい考えだが、日本の首相が戦後、危険の伴う「戦地」に赴いた例はなく、安全確保などさまざまな課題があるためだ。 「(ウクライナの)ゼレンスキー大統領との間では緊密に意思疎通を行っている。現時点で何ら決まっていないが、諸般の事情、状況も踏まえ検討していく」。首相は1月25日の衆院本会議でウクライナ訪問について問われ、そう答えた。首相は1月6日、ゼレンスキー氏との電話協議で訪問を要請された直後にも「諸般の事情も踏まえ検討していきたい」と記者団に語っており、政府関係者は「訪問に向けた首相の意思は固い
生活保護費を受給できたが、「ほかの外国人で同じような目に遭っている人がいないか心配」と話す日系ブラジル人の女性=愛知県安城市で2022年12月22日午後6時16分、藤顕一郎撮影 愛知県安城市役所の職員が、生活保護を申請しようとした日系ブラジル人の女性(41)に、「外国人に生活保護費は出ない」と虚偽の説明をしていたことが、関係者への取材で判明した。職員は「国に帰ればいい」と暴言も浴びせたという。支援者らの働きかけで受給が決まったが、女性は「ほかの外国人も同じような目に遭っていないか心配だ」と話している。 関係者によると、女性は約10年前に来日した。夫(42)は県内の自動車部品工場などで働いていたが、新型コロナウイルス禍で失職。以降はアルバイトをしていたが、無免許運転などで逮捕されて収入が途絶えた。
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