「男はなぜこんなに苦しいのか」「もう限界」。こんな衝撃的なタイトルと帯を持った書籍が発行された。心療内科医で日本医科大学特任教授の海原純子さんの著作だ。1980年代から女性の心身症を専門にカウンセリングを行ってきた海原さんだが、近年、ストレス性疾患を患う男性が増えていることを実感。看過できない現状を受け、警鐘を鳴らす意味で本書の執筆に至ったという。現代男性の身に今、何が起きているのか? 「男らしさ」に追い詰められる男性たち ――海原さんが本書を執筆するに至った理由を教えてください。 リーマン・ショック後、現場で40~50代の男性のストレス性疾患が増えていると感じるようになったからです。例えば、日中はバリバリ仕事をしているけれど毎晩気を失うほどお酒を飲まずにはいられない「隠れアルコール依存症」になる人や、これまでのスキルが通用しなくなり適応障害に苦しむ人、どんなに頑張っても人事評価で報われず