政府は1日の閣議で、雇用保険料率の引き上げを盛り込んだ雇用保険法改正案などを決定した。 【図解】雇用調整助成金の支給決定額 現在の保険料率は労使合わせて賃金の0.9%。これを4月に0.95%、10月に1.35%へ引き上げる。新型コロナウイルス感染拡大で雇用調整助成金の支給額が膨らみ、枯渇した財源を補う。ただ、与党内で今夏の参院選前に負担増を求めることに慎重論が広がり、4月の引き上げ幅を抑えた。
厚生労働省は、労使折半で負担し失業手当に充てる雇用保険の「失業等給付」について、現在0・2%の保険料率を0・6%程度に引き上げる方向で調整に入った。月給30万円のサラリーマンの場合、現在は月900円の保険料が1500円に負担が増える計算だ。 新型コロナウイルスの感染拡大により、休業手当の一部を助成する雇用調整助成金の支給額が急増し、財政が逼迫(ひっぱく)したための措置。来年4月からの引き上げを目指している。 雇用保険は、保険料を労使で折半する「失業等給付」「育児休業給付」と、企業だけが負担する「雇用保険二事業」(雇用安定事業・能力開発事業)がある。「失業等給付」「育児休業給付」のうち、育休給付の料率は0・4%で変わらないが、失業等給付の料率が0・6%に引き上げられた場合、二つの保険料は計1%(労使折半)になる。雇用保険二事業についても現行の0・3%から、0・35%に引き上げる方向で調整して
「なぜ今なのか」「パートの勤務を減らすしかない」-。中央最低賃金審議会の小委員会で14日、最低賃金の大幅な引き上げが示されたことに対し、関西の中小企業からは悲鳴があがった。コロナ禍の影響がより大きい中小には人件費の増大で経営体力を奪われるとの懸念が強く、今後雇用を抑制する動きが加速しかねない。 酒類の提供や営業時間などで規制が続く飲食業界。業種別のコロナ関連倒産件数は高水準が続くなどコロナの打撃が最も大きいなか、今回の決定に対する衝撃は大きい。 「お酒の販売は重要な収益源。それを『悪』のようにいわれ、来店人数も制限されるなか、さらに賃金を上げろという。『なぜ、今なのか』という思いだ」 和食チェーンを展開する企業の幹部は頭を抱える。この会社ではパートなどの非正規雇用が7割超を占め、人件費の大幅な上昇は避けられないという。 最低賃金(最賃)の引き上げは、パートなど非正規雇用者へのしわ寄せが大き
日本放送協会(NHK)の記者だった女性(当時31)が2013年7月に心不全で死亡したのは過重労働が原因だったとして、14年に渋谷労働基準監督署(東京)が労災を認定していたことが分かった。NHKが4日、発表した。ピーク時の時間外労働は月150時間を超えていた。 新入社員が過労自殺した広告大手・電通に続いて、公共放送の職員の過労死も発覚したことで、メディア関連企業の長時間労働の是正を求める声がさらに強まりそうだ。 遺族は今夏以降、女性の過労死を局内全体に周知して再発防止に生かすようNHKに強く求めてきた。女性が労災認定を受けてから3年余り。NHKはこの間、電通の過労自殺事件をはじめ、過労死問題を手厚く報道してきたが、局内で起きた過労死については、遺族から強い要望を受けるまで職員に広く周知していなかった。 NHKや遺族の説明によると、亡くなったのは、入局9年目だった佐戸未和(さど・みわ)さん。0
安倍晋三首相は2日朝、内閣官房に設けた「働き方改革実現推進室」の開所式で訓示し、室長の杉田和博官房副長官や職員約30人に「『モーレツ社員』の考え方が否定される日本にしていきたい」と述べた。 首相は「世の中から非正規という言葉を一掃していく。長時間労働を自慢する社会を変えていく」と強調。「働き方改革は最大のチャレンジ。大変困難を伴うが、私も先頭に立って取り組む」と決意を表明した。加藤勝信・1億総活躍担当相は「働く方々の視点、立場に立った検討をより進めていく。スピード感を持って取り組んでいきたい」と語った。
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