英国の大学図書館における利用統計の活用調査報告 本稿では,英国における電子リソースの利用統計サービス,およびその活用事例について報告する。本報告は,平成28年度国立大学図書館協会海外派遣事業の助成を受け,筆者が2016年9月27日から29日にかけて実施した,英国のJisc,インペリアル・カレッジ・ロンドン,ロンドン大学バークベック校の3機関へのインタビュー調査にもとづいている。 Jiscが出資・運営し,電子ジャーナル・電子ブックの利用統計を一元的に提供するJisc Usage Statistics Portal(JUSP)の現状と課題,上記2校を含む参加機関がJUSPを活用することで,各図書館においてどのような業務改善がもたらされたかについて,インタビュー調査を行った。 JUSPは2008年にプロトタイプ作成,2010年にシステム開発が行われ,2012年にサービスが開始された。2016年1