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ナショナルジオグラフの検索結果41 - 80 件 / 103件

  • “最も汚染された街”デリーの大気汚染が秋に最悪に、インド

    ある朝、スモッグに覆われたインドの首都ニューデリーのプラガティ・マイダン駅付近。地下鉄デリー・メトロの柱に植物が植えられているのは、野焼きで秋冬に悪化する大気汚染を緩和するためでもある。(PHOTOGRAPH BY SAUMYA KHANDELWAL) 今年もまた、インドのデリー首都圏にあの季節がやって来た。灰色がかったオレンジ色のスモッグが立ち込める中、ドアや窓を固く閉めて空気清浄機を動かさなければならない。 インドの首都ニューデリーは世界で最も大気汚染が深刻な都市の一つだ。自動車、石炭火力発電所、料理用コンロなどが主な原因だが、悪化の度合いは時期によって変わり、最も悪化するのは秋だ。インド北西部のパンジャブ州とハリヤナ州で、コメ農家が次に植える小麦のために9月下旬頃から田畑を焼く煙が流れてくるからだ。

      “最も汚染された街”デリーの大気汚染が秋に最悪に、インド
    • ストーンヘンジに地下トンネル計画、英政府が承認、賛否両論

      英国政府は、世界遺産ストーンヘンジの近くを通る交通渋滞がひどい道路を、トンネルを掘って地下に移設すると発表した。 (PHOTOGRAPH BY STEVE PARSONS, PA IMAGES/GETTY) 英国政府がストーンヘンジの世界遺産登録エリアの地下に、4車線のトンネルを建設する計画を承認したことで、論争が巻き起こっている。 現在ストーンヘンジのそばを走るハイウエーA303は、道幅が狭くて交通渋滞がひどいことで悪名高い。そこで総工費22億ドル(約2300億円)の改善計画が進んでいるが、問題となっているのはこの計画の一部である長さ3.2キロのトンネルだ。 このトンネルは、考古学者や環境保護活動家、そしてストーンヘンジを崇める人々から強い反対があったにもかかわらず、承認された。賛成派は、トンネルにより本来の景観を取り戻し、年間160万人を超える観光客がより良い体験ができるようになると主

        ストーンヘンジに地下トンネル計画、英政府が承認、賛否両論
      • 人類が宇宙に滞在し続けて20年目の日、人類の偉業ISS

        2018年10月に国際宇宙ステーション(ISS)を離れた3人のクルーが撮影した写真。地球の青く薄い大気の上に、ISSが大きく浮かび上がっている。技術的にも外交的にも大きな成功を収めたISSでは、2000年11月2日以来途切れることなく人間が生活し、働いている。(ROSCOSMOS/NASA) 2000年のハロウィーン(10月31日)は歴史的な日となった。米国人1人とロシア人2人の宇宙飛行士を乗せたロシアのソユーズロケットが、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から、完成したばかりの国際宇宙ステーション(ISS)に向けて打ち上げられたのだ。 クルーは2日後にISSに到着。それから20年間、地球低軌道上のISSには人間が1日も途切れることなく生活し、仕事をしている。 ISSは、人類史上最も高価で技術的に複雑な建造物の1つだ。1500億ドル(16兆円弱)を投じて建設され、サッカー場ほどの大きさがあ

          人類が宇宙に滞在し続けて20年目の日、人類の偉業ISS
        • スピノサウルスの歯、太古の川から大量に見つかる

          スピノサウルスは、一生の多くを水中で過ごしていたことがわかりつつある。最新の研究で、かつての川の堆積物から歯が大量に見つかったことからも、泳ぎながら狩りをしていたことが示唆される。(MODELING: DAVIDE BONADONNA AND FABIO MANUCCI; ANIMATION AND TEXTURING: FABIO MANUCCI; COLOR DESIGN: DAVIDE BONADONNA, DI. MA. DINO MAKERS SCIENTIFIC SUPERVISION; SIMONE MAGANUCO AND MARCO AUDITORE, RECONSTRUCTION BASED ON: NIZAR IBRAHIM AND OTHERS, NATURE, 2020) 9500万年以上前、現在のモロッコを流れていた大河に「モンスター」が生息していた。肉食恐竜の

            スピノサウルスの歯、太古の川から大量に見つかる
          • ΝΑΠΠΑ on Twitter: "セーラームーンRのエンディング映像の背景に使われている英文が'77年のナショナルジオグラフィックの記事だという指摘 https://t.co/SV0tbkDnpJ"

            セーラームーンRのエンディング映像の背景に使われている英文が'77年のナショナルジオグラフィックの記事だという指摘 https://t.co/SV0tbkDnpJ

              ΝΑΠΠΑ on Twitter: "セーラームーンRのエンディング映像の背景に使われている英文が'77年のナショナルジオグラフィックの記事だという指摘 https://t.co/SV0tbkDnpJ"
            • エベレストの本当の高さは? ネパールと中国が最新の計測

              2019年の登山シーズン、モンスーンの雲に覆われたエベレストの頂上。(PHOTOGRAPH BY FRANK BIENEWALD, LIGHTROCKET, GETTY IMAGES) 2019年5月22日、ネパール人測量家で登山家のキムラル・ガウタム氏(35歳)は、エベレストの山頂に立った。だが、感動的な風景に目を奪われることも、雄姿をカメラに収めることもなく、ガウタム氏はすぐに作業に取り掛かった。 もうひとりの測量家と3人のシェルパ族のガイドに助けられて、雪を被った山頂の最も高い場所にGPS(全地球測位システム)アンテナを設置すると、アンテナはいくつもの人工衛星を使って、その正確な位置を記録し始めた。次に、地中探知レーダーを使って足元の雪の深さを計測した。 ネパール政府に派遣されたガウタム氏らの目的は、エベレストの標高を再計測することだった。あれから15カ月以上が経過し、その結果発表が

                エベレストの本当の高さは? ネパールと中国が最新の計測
              • 火星の地下に複数の湖が存在か、幅20キロに広がる毒性の水

                NASAのマーズ・グローバル・サーベイヤーが2005年4月に撮影した火星(複数画像を合成)。南極にある氷冠が写し出されている。その地下1.6キロの深さに、液体の水をたたえた湖があると考えられている。(NASA/JPL/MALIN SPACE SCIENCE SYSTEMS) 地球外で生命を探す科学者たちの合言葉は「水を追え」だ。このほど火星の南極に、そのターゲットにふさわしい場所が見つかった。厚い氷の下に大きな湖があり、それをいくつもの小さな池が取り囲んでいるとする最新の研究成果が発表されたのだ。 「湖が一つだけポツンとあるのではなく、水系が存在すると思われます」と、イタリア、ローマ第三大学のエレナ・ペティネッリ氏は語る。氏が共著者として名を連ねるこの論文は、9月28日付で学術誌「Nature Astronomy」に掲載された。 2018年、ペティネッリ氏の研究チームは、火星の南極の地下に

                  火星の地下に複数の湖が存在か、幅20キロに広がる毒性の水
                • ビーバーのいる森は火災に強い、研究

                  米グランド・ティートン国立公園のシュワバッカー・ランディングで泳ぐビーバー。(PHOTOGRAPH BY CHARLIE HAMILTON JAMES, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 米国西部で森林火災が猛威を振るっている。カリフォルニア州では120万ヘクタール以上が焼け、オレゴン州では50万人以上が自宅からの避難を余儀なくされた。そんな中、我々が火災と闘ううえで、心強い仲間がいることがわかった。ビーバーだ。 学術誌「Ecological Applications」に9月2日付けで発表された研究によると、ビーバーがダムや池を作り、水路を掘ることで、動植物にとっての防火シェルターが生まれていることが判明した。場合によってはこれが森林火災の延焼を止めることさえある。 「すぐ隣で火事が起こっていても平気です」。そう話すのは、米カリフォルニア州立大学チャンネル・アイランド校の

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                  • アップデートされる恐竜

                    この記事は、雑誌ナショナル ジオグラフィック日本版 2020年10月号に掲載された特集です。定期購読者の方のみすべてお読みいただけます。 解析技術の飛躍的な進歩と化石の発掘ラッシュで、恐竜研究の最前線では今、新発見が相次いでいる。皮膚や羽毛の色から子育ての方法、生態や進化の道筋まで、恐竜像が大きく塗り替えられようとしている。 肌寒い1月の午後、英国ロンドン市内の水辺にたたずみ、恐竜の群れを見つめる女性がいた。 彼女はロンドン自然史博物館の学芸員、スザンナ・メイドメントだ。この日、私と一緒にクリスタル・パレス公園を訪れていた。この公園には1854年に、公共施設としては世界で初めて恐竜の復元模型が設置された。模型は公開と同時に大きな反響を呼び、今も続く恐竜ブームに火をつけた。映画『ジュラシック・パーク』の公開より1世紀以上も前に、この公園の恐竜たちは30年連続で年間200万人もの見学者を集めて

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                    • シベリアにまた謎のクレーターが出現、過去最大級

                      シベリアで新たに発見されたクレーターは、これまでに発見された同じタイプのクレーターの中では最大級で、深さは約50mある。(PHOTOGRAPH BY EVGENY CHUVILIN) 最近、シベリアのツンドラの上空を飛んでいたロシアのテレビクルーが、興味深いものを発見した。サッカー場の半分ほどの大きさの深いクレーターが、凍った大地にぽっかりとあいていたのだ。クレーターの周囲には数百メートルにわたって氷や土の塊が飛び散っていて、それらが地中から噴出したものであることは明らかだった。 シベリアの北極圏では、2014年以来、こうしたクレーターが続々と見つかっている。科学者たちは、このクレーターは泥と氷の丘の下に閉じ込められたメタンガスや二酸化炭素が爆発してできたもので、今後、地球温暖化とともに増えていくだろうと予想している。とはいえ、この現象についてはわからない部分が多い。 「何が起きているのか

                        シベリアにまた謎のクレーターが出現、過去最大級
                      • ニューヨークの過去と未来 絵地図に描かれたこの街の魅力

                        *会員:年間購読、電子版月ぎめ、 日経読者割引サービスをご利用中の方、ならびにWeb無料会員になります。

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                        • 除草剤で赤ちゃんワラビーのペニス小さく、母親が摂取、研究

                          ワラビーは豆粒ほどの大きさの未熟な状態で生まれ、母親の腹にある袋(育児のう)の中で育つため、他の多くの哺乳類に比べ、化学汚染物質などの外部からの脅威に影響を受けやすいという。(PHOTOGRAPH BY AUSCAPE, GETTY IMAGES) 除草剤のアトラジンは、日本を含め世界で広く使用されているが、動物の性的発達を阻害する可能性が様々な研究で指摘されている。最も使用量が多い米国とオーストラリアでは、小川や湖、飲料水から微量に検出されるケースも多い。 8月5日付けで学術誌「Reproduction, Fertility and Development」に発表された研究では、アトラジンがダマヤブワラビー(Macropus eugenii)の生殖器の発達を阻害したという結果が得られた。ダマヤブワラビーは、オーストラリアに生息するカンガルー科の有袋類だ。 メスのダマヤブワラビーに、450

                            除草剤で赤ちゃんワラビーのペニス小さく、母親が摂取、研究
                          • ダムがなくなり川に魚が戻ってきた、米国の例

                            米国メーン州のミルブルック川を遡上するニシン科の魚、エールワイフ。春になると産卵のためにハイランド湖をめざす。(Photograph by Brian Skerry) 6月初旬、私はシュノーケルを身に付け、米国メーン州の森を流れるミルブルック川の冷たい水中を漂っていた。銀色の美しい魚たちが私の体にぶつかってくる。ポートランドの市街地から10キロと離れていないこの川では、ニシン科の魚エールワイフがハイランド湖へ遡上する18キロの旅の途中だ。 体長25センチほどのエールワイフは、側面に硬いうろこをもつことから「ソーベリー(のこぎり腹)」とも呼ばれる。彼らは海で4年ほど過ごした後、生まれた場所へと戻る。今、川にある滝の下に集まっているこのエールワイフたちは、ハイランド湖までの残り約5キロメートルを上っていくために、次の雨で川の水量が増すのを待っているところだ。

                              ダムがなくなり川に魚が戻ってきた、米国の例
                            • 過去最大のブラックホール衝突を確認、科学者興奮

                              今にも衝突しようとする一対のブラックホールの想像図。(ILLUSTRATION BY MARK MYERS, ARC CENTRE OF EXCELLENCE FOR GRAVITATIONAL WAVE DISCOVERY (OZGRAV)) 今から70億年以上前、2つの巨大なブラックホールがお互いのまわりを周り、やがて衝突して合体した。この激しい衝突により、時空のゆがみが波となって宇宙に広がっていった。重力波である。 2019年5月21日の早朝、はるか彼方で発生した重力波が地球に到達し、米国のLIGOとイタリアのVirgoという2つの重力波観測所でとらえられた。天文学者たちがその信号を分析したところ、これまで検出されたなかで最大の衝突と、理論上ありえないブラックホールについて、手がかりが得られた。(参考記事:「解説:ブラックホールの撮影成功、何がわかった?」) GW190521と名付け

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                              • コロナで注目の自転車 世界を変えたスマホ級の大発明 - 日本経済新聞

                                歴史は繰り返す。まったく同じではなくとも、確かに繰り返す。コロナ禍で自転車の需要が急増し、サイクリングとウォーキングに新たに焦点を当てた都市の再開発に各国が数十億ドルをかけようとしている今、19世紀後半の自転車の登場がいかに世界を変えたかは、振り返る価値があるだろう。自転車は、極めて破壊的な技術だった。少なくとも今日のスマートフォンと同じ程度には。価格も手頃で、速くてスタイリッシュな交通手段で

                                  コロナで注目の自転車 世界を変えたスマホ級の大発明 - 日本経済新聞
                                • ロシア製ワクチンに「重大な懸念」 米国研究所長

                                  ワクチンバンクを保存機器から取り外す検査技師。2020年8月6日、ロシアの国立ガマレヤ疫学・微生物学研究所とロシア直接投資基金が開発するCOVID-19ワクチンを製造する、モスクワにある同研究所で。(PHOTOGRAPH BY ANDREY RUDAKOV, BLOOMBERG VIA GETTY IMAGES) ロシアが新型コロナウイルスのワクチンを承認し、供給体制を整えているとのモスクワの報道に対し、米国で新型コロナ対策をけん引する国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は、「ワクチンを作り上げることと、それが安全かつ有効であることを証明することは別」との見解を示した。 これは、ナショナル ジオグラフィックが8月13日に独占放送したイベント「Stopping Pandemics(パンデミックを止める)」の基調インタビューの中で、ファウチ氏が発言したもの。 「ロ

                                    ロシア製ワクチンに「重大な懸念」 米国研究所長
                                  • 北極圏の夏の海氷、熱波で7月は最小を記録、15年後には消滅か

                                    アラスカ州ウトキアグビク(旧バロー)沖の北極海。非常に冬が暖かかった2015年の6月に撮影。(PHOTOGRAPH BY KATIE ORLINSKY, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 2020年の7月に北極海を覆っていた海氷は、1979年に人工衛星による観測が開始されて以来、どの年の7月よりも少なかった。これにより、北極海が氷のない夏を迎えるという避けがたい未来に向けて、また一歩進んだことになる。 北極海の海氷は毎年、長く暗い冬の間に海面が凍って拡大する。その面積は3月に最大約1500万平方キロメートルに達し、北極海のほぼ全体を覆い尽くす。氷は夏の間に解けてゆき、最も小さくなるのは9月だ。 1980年代の7月には平均で、米国やカナダの面積にほぼ匹敵する約980万平方キロメートルが氷に覆われていた。対して今年の7月、北極海を覆う海氷の面積はわずか720万平方キロメートル

                                      北極圏の夏の海氷、熱波で7月は最小を記録、15年後には消滅か
                                    • 解説:「史上最小の恐竜」は実はトカゲだった、論文を撤回

                                      およそ9900万年前、現在のミャンマーにあたる場所で、垂れ落ちる樹脂にオクルデンタビス・カウングラアエ(Oculudentavis khaungraae)が閉じ込められる。この謎めいた生き物は、新たな研究でトカゲに分類された。(ILLUSTRATION BY STEPHANIE ABRAMOWICZ) 2020年3月、ハチドリほどの大きさの9900万年前の生物オクルデンタビス(Oculudentavis khaungraae)は、「史上最小の恐竜化石」として報じられ、世界中で話題となった。だが、新たに報告された化石から、この生物は実際には恐竜でなく、風変わりなトカゲの仲間である可能性が高いことがわかった。 最初に報告されたオクルデンタビスの化石は、琥珀に閉じこめられた頭骨で、学術誌「Nature」の2020年3月12日号で発表されたほか、ナショナル ジオグラフィックを含む各メディアが取り上

                                        解説:「史上最小の恐竜」は実はトカゲだった、論文を撤回
                                      • 地名の付いた料理は、本当にそこの名物なのか?

                                        ウクライナのキエフ。金色のドーム屋根の教会と曲がりくねったドニエプル川が見える。(PHOTOGRAPH BY LEONID ANDRONOV, GETTY IMAGES) 「ベイクド・アラスカ」「ロンドン・ブロイル」「シンガポール・ヌードル」と、都市や国の名前が付いた「ご当地料理」は数々ある。さぞかし、その土地で古くから親しまれている料理と思うだろう。 だが実は、現地とは関係なく、料理に地名が付けられる例も少なくない。例えば、アイスクリームケーキの「ベイクド・アラスカ」は1867年、米国がロシアからアラスカを買収したことを記念し、ニューヨークのシェフが考案したものだ。 料理の名前はたいてい、お客さんの心を動かすために付けられる。「消費者の価値観と共鳴する何かを生み出したい、ライバルに差を付けたいと考えるのです」と、米パシフィック大学で食の歴史を研究するケン・アルバーラ氏は話す。「土地との結

                                          地名の付いた料理は、本当にそこの名物なのか?
                                        • トルコの世界遺産アヤソフィアが「モスク化」、心配の声

                                          1500年前に建てられた世界遺産アヤソフィア。トルコ随一の観光名所であるこの建物は先日、トルコの最高裁判所によって、博物館としての地位を剥奪された。(PHOTOGRAPH BY JLIMAGES, ALAMY) トルコを代表する世界遺産で、数多くの観光客が訪れるイスタンブールのアヤソフィアについて、トルコの最高行政裁判所はその博物館としての地位を無効とする決定を下した。これに対し、心配の声が数多く上がっている。この場所が今後どうなるのか、これからも見学はできるのか。 ある訴え アヤソフィアは、もとは6世紀に東ローマ帝国の首都コンスタンティノープルにおけるキリスト教の大聖堂として建設され、1453年にオスマン帝国がこの街を征服したことをきっかけにモスクとなった。20世紀初頭までは、そのままイスラム教徒の礼拝施設として使われていたが、1934年にトルコ政府がこれを「世俗化(宗教組織から切り離す

                                            トルコの世界遺産アヤソフィアが「モスク化」、心配の声
                                          • 北極のシロイルカがカリフォルニアの海に出没、科学者ら困惑

                                            2020年6月、サンディエゴ沖を泳ぐシロイルカが発見された。エコツアー会社「ゴーン・ホエール・ウォッチング」の経営者で、ホエールウォッチング船の船長を務めるドメニク・ビアジーニ氏がドローンで撮影した。 北極海と周辺の海に暮らすシロイルカ(ベルーガ)が、そのはるか南、米国カリフォルニア州サンディエゴ沖で目撃された。サンディエゴは、日本の熊本や八丈島と同じくらいの緯度にあり、公式に記録された目撃場所としては最も南だという。 まさかシロイルカが 発見されたのは2020年6月26日。ホエールウォッチングツアーの船長で野生動物の写真家でもあるドメニク・ビアジーニ氏は、6人のツアー客を船に乗せ、ミッションベイの沖合でクジラ(できればシロナガスクジラ)を探していた。別のツアーの船長、リサ・ラポイント氏にもクジラを見つけていないか無線で尋ねてみた。 「たった今、真っ白で背びれのない4、5メートルの動物を見

                                              北極のシロイルカがカリフォルニアの海に出没、科学者ら困惑
                                            • 『ジュラシック・パーク』で大活躍の恐竜、本当はこんな姿だった

                                              卵からかえるひなの世話をするディロフォサウルス・ウェテリリの復元図。(ILLUSTRATION BY BRIAN ENGH) 1993年の映画『ジュラシック・パーク』のなかに、悪役のひとりが運悪くディロフォサウルス(Dilophosaurus wetherilli)に出くわし、殺される場面がある。人間よりも小さく、好奇心旺盛なディロフォサウルスは本性をむき出しにすると、エリマキトカゲのような首のフリル(えり飾り)を広げ、鋭い鳴き声を立て、悪役の目に毒入りの唾を吐きかける。 このシーンによって、ポップカルチャーにおけるディロフォサウルスのイメージはすっかり固定されてしまったが、実際のディロフォサウルスは、映画で描かれている外見とは大きく異なっていた。 「私は、『最も有名な“知られざる”恐竜』と呼んでいます」と話すのは、米アリゾナ州化石の森国立公園の古生物学者アダム・マーシュ氏だ。同氏は、ディ

                                                『ジュラシック・パーク』で大活躍の恐竜、本当はこんな姿だった
                                              • ツンドラで山火事が多発、科学者らに衝撃、熱波のシベリアで

                                                ロシアで最も寒い地域の一つ、ヤクーチア中央部で燃える森林。ヤクーチア地方は83パーセント以上が森林に覆われている。今年の山火事はかなり北の方まで燃え広がり、科学者たちを驚かせている。(PHOTOGRAPH BY YEVGENY SOFRONEYEV, TASS/GETTY IMAGES) 人為的な気候変動に加えて晴天が続いたことにより、ここ数カ月の間、シベリアが猛暑に襲われている。この熱波は、6月に北極圏の気温を38℃まで上昇させたのみならず、大規模な山火事にも拍車をかけており、永久凍土層のあるツンドラまでが現在、炎に包まれている。 気温が低く、水分が多く、凍っているために、本来であれば燃えるはずのない地域で山火事が相次いでいるというこの事態に、生態学者や気候科学者は懸念を募らせている。彼らが恐れているのは、この火災が北極圏における急激な変化のさらなる兆候かもしれないこと、そして、局地的に

                                                  ツンドラで山火事が多発、科学者らに衝撃、熱波のシベリアで
                                                • まるでむき出しの木星、ガス惑星の核、初の発見

                                                  太陽系外惑星TOI-849bは、主星のすぐ近くの軌道を回る。海王星とほぼ同じ直径をもつ大きな惑星だが、岩石からなり、信じられないほど密度が高い。(ILLUSTRATION BY MARK GARLICK, UNIVERSITY OF WARWICK) 地球から約730光年、銀河系のスケールで言えばさして遠くないところで、太陽に似た恒星の周りを回る不思議な惑星が見つかった。主星からの距離が非常に近く、大きくて、密度が高い。他にこのような惑星は、太陽系内はもちろん、はるか彼方の宇宙でも見つかっていない。 TOI-849bと名付けられたこの灼熱の惑星は、これまでに観測された岩石惑星の中で最も重く、地球40個分もの質量がある。これだけ質量が大きければ、木星のような巨大ガス惑星になるはずなのに、なぜかほとんど大気がない。現在の惑星形成理論では、この天体の形成過程を説明することはできない。 「TOI-

                                                    まるでむき出しの木星、ガス惑星の核、初の発見
                                                  • 「英雄」の銅像撤去相次ぐ、コロンブスやガンジーも

                                                    2020年6月19日、ワシントンDCでアルバート・パイクの像を倒そうとする人々。(PHOTOGRAPH BY EVELYN HOCKSTEIN, THE WASHINGTON POST/GETTY) 米国で、かつて英雄とされた人物の銅像の撤去が相次いでいる。 バージニア州は、19世紀の南北戦争で奴隷制度を支持する南部の州として戦った。その州都リッチモンドに、モニュメント・アベニューと呼ばれる大通りがある。ここにはかつての南部軍人の像が立ち並んでいるが、今、それらが次々に倒され、撤去されている。州知事は、南軍司令官だったロバート・E・リー将軍の像の撤去を正式に発表した。

                                                      「英雄」の銅像撤去相次ぐ、コロンブスやガンジーも
                                                    • 新型コロナ、第二波はどうすればうまく防げるのか

                                                      人間は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に勝つことができる。その理由はウイルスが単純なものだからだ。ウイルスは何らかの助けなしにはどこへも行けない。外気に長時間さらされれば大半が分解される。ウイルスが得意なのは増殖することだけだ。 もちろん問題は、この唯一のタスクに、コロナウイルスが非常に長けていることであり、米国をはじめ、ロックダウン(都市封鎖)などの制限を緩めつつあった国々は今、流行の再燃という壁にぶつかっている。 米国ではここ数カ月、毎日の新規感染数は2~3万の間で推移していたが、最近になって30の州で急上昇している。特にテキサス州ヒューストンではわずか2週間のうちに1日の新規感染者数が300から1300に急増、他の州も似た事態に直面している。 「被害が大きい地域の病院のICUや人工呼吸器のキャパシティは、限界に達しつつあります」と、米アリゾナ大学准教授で感染症疫学者のパー

                                                        新型コロナ、第二波はどうすればうまく防げるのか
                                                      • 心臓を一突きされたハクトウワシ 真犯人は意外な動物

                                                        ハシグロアビは無害な鳥に見えるかもしれないが、縄張り意識が強く、生息地に侵入するものは、どんな相手でも激しく攻撃する。(PHOTOGRAPH BY CHARLIE HAMILTON JAMES, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 2019年7月、米メーン州ブリッジトンの猟区の管理所に変わった通報があった。死んだハクトウワシがハイランド湖に浮かんでいるというのだ。生物学者はハクトウワシは撃ち殺されたか、鉛製の釣り具で中毒死したと考えた。どちらも、野鳥の死因としてはよくある話だ。 (参考記事:「【動画】泳ぐワシ!? おぼれかけたところを救出」) ところが、事実は違った。ハクトウワシの死体を検査したところ、心臓にまで達する刺し傷があったのだ。この傷をつけたのは銃ではなく、水鳥の一種ハシグロアビの短刀のようなくちばしだった。 メーン州内水漁業野生生物局の野生生物学者ダニエル・ダウ

                                                          心臓を一突きされたハクトウワシ 真犯人は意外な動物
                                                        • インド 気候変動と闘う「氷の仏塔」

                                                          山あいに出現した「氷の仏塔」。春の種まきで使う水を確保するために、インド北部にあるギャ村の若者たちが造ったものだ。塔の中にはカフェも設けられ、そこで得られた収益は、村の年配者たちが巡礼地へ旅する費用に充てられた。(PHOTOGRAPHS BY CIRIL JAZBEC) 地球温暖化の影響で冬の間に降り積もった雪は昔よりも早く解け、氷河は山の高い場所へと後退してしまった。生きるための水を雪や氷に頼っている人々は一体どうすればよいのか? インド最北部のラダック地方では、乾いた農地に水を供給しようと、巨大な氷の塔が造られ始めている。 インド最北部の高原、ラダック地方は厳しい攻撃にさらされている。敵は水源を枯らし、農地を干上がらせる。 この地方では昔から、良質なカシミヤが採れるヤギを飼い、乾燥した土地で小麦と大麦を栽培してきた。しかし今では、そんな暮らしは立ち行かなくなり、農家の人々は農地を離れ、

                                                            インド 気候変動と闘う「氷の仏塔」
                                                          • 北極圏で前代未聞の38℃を記録、何を意味する?

                                                            2019年7月5日、シベリアの町ジリャンカを流れるコリマ川の岸で遊ぶ子どもたち。気候変動が、シベリアの風景と経済を変えようとしている。(PHOTOGRAPH BY MICHAEL ROBINSON CHAVEZ, THE WASHINGTON POST/GETTY IMAGES) 6月20日、北極圏に位置するロシア、シベリアの町ベルホヤンスクで、気温が過去最高の38℃を記録した。これを単なる突発的な出来事ととらえてはいけない。科学者たちによれば、今回の記録は地球が急速に高温化していることの証しであり、北極圏は今後ますます加速的に暑くなることを示しているという。 「ずいぶん前から、熱波のような異常気象はより頻繁になるだろうと警告してきましたが、思ったよりも早くそれが起こっているようです」と、デンマーク気象研究所の気象科学者、ルース・モトラム氏は言う。 1885年にベルホヤンスクで記録が開始さ

                                                              北極圏で前代未聞の38℃を記録、何を意味する?
                                                            • 中国、センザンコウのウロコを伝統薬の承認リストから除外

                                                              アフリカ南東部のモザンビークで密猟者から救出され、野生に戻されたサバンナセンザンコウ。中国では、センザンコウの保護レベルが改定され、センザンコウのウロコが伝統薬の承認リストから除外された。自然保護の活動家たちは、この措置によって、8種すべてが絶滅の危機に瀕しているセンザンコウの減少が遅れるように願っている。 (PHOTOGRAPH BY JEN GUYTON, NATURE PICTURE LIBRARY) 中国はこのほど、世界で最も多く違法取引されている哺乳類センザンコウを救済する措置をとった。2020年の中国の伝統薬の承認リストから、これまで何十年も記載されてきたセンザンコウのウロコを除外したのだ。センザンコウのウロコは長年、母乳の出をよくする薬から関節炎の薬まで、さまざまな中国の伝統薬の素材として合法的に売られてきた。 ウロコが薬に使われるせいで、世界中のセンザンコウ(アジアに4種、

                                                                中国、センザンコウのウロコを伝統薬の承認リストから除外
                                                              • 4年間で2万回超の奇妙な群発地震、ついに謎を解明

                                                                2016年初頭、何の前触れもなく、南カリフォルニアで静かな群発地震が始まった。地震は毎日起こるわけではなく、そのほとんどが人間にはわからないほど小さな揺れだったが、何カ月たっても終息せず、回数は増えていった。 2018年の春には毎月数千回の小さな地震が発生するようになり、ランプが揺れるほどの地震も発生して、近くの町の住民を不安にさせた。4年間に発生した地震は2万2000回以上にのぼったが、発生源は謎に包まれていた。 この群発地震をこれまでで最高の分解能で調べた科学者チームがその原因を特定し、6月19日付けで学術誌「サイエンス」に論文を発表した。 今回の分析では、コンピューターアルゴリズムを用いて小さな地震が発生した場所と時間を明らかにし、蜘蛛の巣のように広がる断層破砕帯(断層の運動によって岩石が壊れて砕けた部分)沿いの群発地震活動の推移を驚くほど詳細に描き出した。完成した地図は、断層系に何

                                                                  4年間で2万回超の奇妙な群発地震、ついに謎を解明
                                                                • 世界各国の新型コロナ対策、明暗分かれた原因は?

                                                                  2020年4月21日火曜日のドイツ、ベルリン中心部にあるアレクサンダー広場。新型コロナウイルスのパンデミックで、ほとんど人がいない。(PHOTOGRAPH BY EMILE DUCKE, THE NEW YORK TIMES VIA REDUX) 世界各地の感染症情報を伝えるメーリングリスト「ProMED-mail」に、4カ月前「中国の武漢で原因不明の肺炎が発生」という情報が流れた。新型コロナウイルスの大流行が始まることをしらせる最初の警告だ。現在、COVID-19は6大陸に広がり数十万人の死者を出し、世界的な経済危機も引き起こしている。 英インペリアル・カレッジ・ロンドンなどの世界中の研究グループは、各国における感染速度の抑制方法に劇的な違いがあること、そしてどの対策が全体として最も効果的だったかをデータで明らかにした。感染拡大の抑制に関して、他よりはるかにうまくやった国や州、都市もわか

                                                                    世界各国の新型コロナ対策、明暗分かれた原因は?
                                                                  • ライオン進化の歴史を解明、絶滅種をゲノム解析で

                                                                    朝日を浴びながら草むらを歩くアフリカライオン。タンザニアで撮影。(PHOTOGRAPH BY MELISSA GROO, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 今から3万年前、ライオン(Panthera leo)はさまざまな亜種に分かれ、4つの大陸に広がって生きていた。なかでもホラアナライオンはよく繁栄し、現在のスペインからユーラシア大陸を横断し、北米のアラスカやユーコンまで分布していた。その姿は先史時代の洞窟壁画に広く描かれている。 一方、アメリカライオンは、現生のアフリカライオンや絶滅したサーベルタイガーより大きく、北米全域とおそらく南米の一部にすんでいた。(参考記事:「絶滅動物サーベルタイガー、驚きの暮らしが判明」) 他にもアフリカ、中東、インドに多様な大きさや外見のライオンが生息していたが、大半がすでに絶滅している。しかし、科学者たちは遺伝学的な手掛かりを集め、絶滅し

                                                                      ライオン進化の歴史を解明、絶滅種をゲノム解析で
                                                                    • 地球から一番近いブラックホールを発見、連星系に

                                                                      三連星系HR 6819を構成する天体の軌道の想像図。恒星系は、内側の軌道を運動する恒星(軌道を青で示す)と、新たに発見されたブラックホール(赤の軌道)と、外側の軌道を運動する第3の恒星(青の軌道)からなる。(ILLUSTRATION BY ESO/L. CALÇADA) 南半球では冬になると頭上に「ぼうえんきょう座」が見える。この星座の中に青い光の点が輝いている。青い光は1つの明るい星のように見えるが、実際には2つの星と1つのブラックホールという3つの天体からなる三連星系であることがわかった。現時点で、地球から最も近いブラックホールが見つかったことになる。 5月6日付けで学術誌「Astronomy & Astrophysics」に発表された論文によると、新たに発見されたブラックホールは太陽系から約1011光年のところにある恒星系HR 6819にあり、目に見える2つの星とともに軌道上を運動し

                                                                        地球から一番近いブラックホールを発見、連星系に
                                                                      • ”冒険家“か”壁の花“か、野生イルカの異なる性格が判明、研究

                                                                        フランス領ポリネシアのランギロア環礁沖を泳ぐハンドウイルカ。ハンドウイルカは4〜30頭の群れで暮らしている。(PHOTOGRAPH BY GREG LECOEUR, NAT GEO IMAGE COLLECTION) パーティーでは、にぎやかで社交的な人が目立つ。ゲーム、歌、ダンスなど、何でも参加したがる冒険家タイプだ。一方、用心深い人は注目を避け、壁の花と言われるように、後ろの方にいることが多い。 動物についても、こうしたタイプの性格があることが明らかになっている。昆虫から鳥、タコ、霊長類まで、さまざまな動物の性格を研究したところ、どの集団にも慎重な個体と大胆な個体が存在した。 こうした違いは、個体が生き残る能力に影響を及ぼしうる。たとえば、餌や繁殖相手を探す際、冒険的な方が有利なことがある。ゼブラフィッシュをはじめとするいくつかの種では、大胆な個体の方が、相手を見つけて繁殖を成功させる

                                                                          ”冒険家“か”壁の花“か、野生イルカの異なる性格が判明、研究
                                                                        • コンゴのエボラついに終息へ、決め手はワクチン接種

                                                                          2019年、コンゴ民主共和国(DRC)北東部の街ベニ。保健スタッフが救急車にカクレ・カベンディブワくん(14)を運ぶ。この前日、姉妹がカクレくんを近くの保健センターに連れて行ったが、治療センターに行くことを勧められると、逃げ出してしまった。保健センターから連絡を受けた世界保健機関(WHO)が家族を発見。家族は地域の啓発担当者と何時間も話し合った末、カクレくんを救急車で搬送することに同意した。(PHOTOGRAPH BY NICHOLE SOBECKI) 世界は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の話題でもちきりだが、史上2番目に大規模なエボラウイルス病(エボラ出血熱)のアウトブレイク(集団感染)がついに終息するかもしれない。 コンゴ民主共和国(DRC)のキブ地域で、大流行へとつながるエボラウイルス病の最初の症例が報告されたのは2018年8月だった。以後、これまでに約3450の症例と

                                                                            コンゴのエボラついに終息へ、決め手はワクチン接種
                                                                          • ジンベエザメは100歳まで生きるかもしれない、研究

                                                                            ユカタン半島沖を泳ぐジンベエザメ。体重は最大22トンほどになると考えられている。(PHOTOGRAPH BY BRIAN J. SKERRY, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 体長が最大18メートルにもなるジンベエザメは、海に暮らす世界最大の魚類だ。白い斑点と縞模様の美しさも、海中でひときわ目を引く。世界中の温暖な海に生息し、エコツーリズムでも人気が高いジンベエザメだが、その生態はまだわからないことだらけだ。実際、その寿命すらよくわかっていない。 最近の研究では、サメの仲間の驚くべき寿命が明らかになっている。たとえば、ニシオンデンザメは300年以上生きるという。これは地球上の脊椎動物の寿命としては最長だ。(参考記事:「約400歳のサメが見つかる、脊椎動物で最も長寿」) このような発見が可能になった背景には、サメの年齢を計測する方法の発達がある。たとえば、サメの骨格に含ま

                                                                              ジンベエザメは100歳まで生きるかもしれない、研究
                                                                            • 空っぽの地中海を満たした超巨大洪水、新たな証拠か

                                                                              地中海と外海とを結んでいるのは、ヨーロッパとアフリカ大陸の間に位置する幅の狭いジブラルタル海峡のみ。国際宇宙ステーションから撮影。(PHOTOGRAPH BY NASA) 穏やかなターコイズブルーの水を湛える地中海。ここには、ある秘密が隠されている。海底の地下深くに厚さ約3200メートルもの塩の層が存在するというのだ。 不気味なほど白いその塩は、はるか昔に地中海がほぼ消え去ったこと示す数少ない証拠のひとつだ。科学者の中には、地中海はかつて一度完全に蒸発し、サハラ砂漠のようにカラカラに干上がったと考える者もいる。 数十年間にわたり研究が続けられてきたにもかかわらず、地中海が一度消滅し、その後、再び大西洋とつながって復活したという仮説の詳細は、長い間謎のままだった。約500万年前、地中海が消えた後の大穴に再び水が満たされたとすれば、それは地球史上まれに見る大規模な洪水だったと考えられる。ある試

                                                                                空っぽの地中海を満たした超巨大洪水、新たな証拠か
                                                                              • 恐竜のDNAか? 化石に染色体らしき構造を発見

                                                                                7000万年以上前の北米には、ヒパクロサウルスという草食恐竜が生息していた。子どものヒパクロサウルス化石を調べた最新の研究で、分裂中の細胞や細胞核、染色体が発見され、DNAが保存されている可能性も出てきた。(ILLUSTRATION BY MICHAEL ROTHMAN) DNAは数十億年にわたり、生物の遺伝情報を伝える役割を果たしてきた。DNAには、いつどのようなタンパク質を合成するかという指示が含まれている。しかし、この情報はどれほど長く存在しうるのだろう? このほど、極めて保存状態の良い恐竜の化石から、細胞の輪郭と構造物が見つかったとする研究成果が発表された。この構造物は恐竜のDNAでできたものかもしれないという。 学術誌「National Science Review」に掲載されたこの挑発的な論文では、ハドロサウルス科に属する恐竜ヒパクロサウルス・ステビンゲリ(Hypacrosau

                                                                                  恐竜のDNAか? 化石に染色体らしき構造を発見
                                                                                • かつてのアマゾンに大量の集落、従来説覆す

                                                                                  ジオグリフとみられる痕跡を座標上に表すと、チームは現地調査に赴いた。この地域は、現在、広大な土地が農地となっている。予想に違わず、実際に訪れた24カ所の1つ1つが考古学的な遺構だった。「すべてつじつまが合いました」と、デ・ソウザ氏は話す。「ジオグリフのあるところが特別な区域だとわかったのです」 ある遺構を研究チームが詳しく調べたところ、陶磁器や木炭が出土。西暦1410年ごろに村があったらしいとわかった。 推定1300のジオグリフと村落 チームは研究室に戻ると、得られた情報をもとにほかの遺構がありそうな場所を予測することにした。標高や土壌のpH値、降水量などを加味したコンピューターモデルを作成し、シミュレーションしたところ、「標高が高く、季節や気温の変化の大きな地域」にジオグリフが作られている可能性が高いことが判明した。 同時に、ジオグリフの場所は川の近くに限らないということも示され、従来の

                                                                                    かつてのアマゾンに大量の集落、従来説覆す