政治や社会を反権力の立場から鋭く批評したコラムニストの小田嶋隆(おだじま・たかし)さんが24日、病気のため死去した。65歳。葬儀は近親者のみで営む。 東京都生まれ。早稲田大卒。食品メーカーを退社後、ラジオ局アシスタントディレクター、作詞家などを経験する。雑誌「噂の真相」(2004年休刊)でコラムを…
日経ビジネス電子版で「『ア・ピース・オブ・警句』~世間に転がる意味不明」、日経ビジネス本誌では「『pie in the sky』~ 絵に描いた餅べーション」を連載中のコラムニスト、小田嶋隆さんが亡くなりました。65歳でした。 小田嶋さんには、日経ビジネス電子版の前身である日経ビジネスオンラインの黎明(れいめい)期から看板コラムニストとして、支えていただきました。追悼の意を込めて、2021年11月12日に掲載した「晩年は誰のものでもない」を再掲します。 時の権力者だけでなく、社会に対して舌鋒(ぜっぽう)鋭く切り込む真のコラムニスト。その小田嶋さんがつむぐ1万字近い原稿を、短い言葉でどう表現するか。記事タイトルを短時間で考える担当編集者にとっては、連載の公開前日は勝負の1日でもありました。 再掲載するコラムは療養中の病室から送っていただいた原稿です。「晩年」という言葉やそれを何も考えずに使う社
「鋭い批評性と親切心が同居する不思議な味わいがあった」小田嶋隆さんの訃報が届いたのは、禊祓いの行をしている途中だった。メールを読んでから道場に戻って行を続けた。小田嶋さんは、こういうのが大嫌いな人だったと思いながら、身勝手ながら供養のつもりで祝詞を上げた。 僕が最初に小田嶋さんの文章を読んだのは70年代終わりか80年代初めの、東京の情報誌『シティーロード』のコラムでだった。一読してファンになった。「若い世代からすごい人が出てきたな」とか「端倪すべからざる才能である」とか思って驚いたわけではない。ただ、「この人のものをもっと読みたい」とだけ思った。それだけ中毒性のある文章だった。それから彼の書くものを探して、むさぼるように読むようになった。 実際に拝顔の機会を得たのはそれから20年以上経ってからである。当時毎日新聞社にいた中野葉子さんが憲法9条をテーマにしたアンソロジーを編みたいというので僕
みんな政治でバカになるのだろうか 2021.10.15 小田嶋 隆 (略)… さて、めんどうくさいインターネットに生半可な気持ちで関わっていると、思わぬトラブルを引き起こしてしまう。 今回は、『さて、めんどうくさいインターネットに生半可な気持ちで関わっていると、思わぬトラブルを引き起こしてしまう。 今回は『みんな政治でバカになる』という書籍に関連して私が発信したいくつかのツイートが炎上した。 自分が炎上を招く書き方をしていることは承知していたのだが、毎度のことながら、タイピングの勢いを自制することはかなわなかった。この点は反省している。各方面に失礼な言辞を弄した責任は、ひとえに私の側にある。この場を借りておわびを申し上げておきたい…(後略) https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00116/00138/
https://togetter.com/li/1791822 地下猫先生の耄碌ぶりが思った以上だった。もうこの人完全にオワコンになっちゃった。もう頼むから引退してくれ。 地下猫「お気持ち」をシカトして「法に違反してなければ何してもいいんだよ」とやられたら法で殴るしか選択肢がなくなる。 それでまんだらけ側も大ダメージをおったわけだ。最初から近隣に配慮していればこんなダメージはおっていないだろうね。 相互に配慮するという、社会的にとうぜんの行動を否定して、 法に触れてなければ何をしてもいい、という考えを大声でいいたてているというだけで、まるでタガのはずれた連中なのだなあ、としか思えぬ。 法に触れていれるというだけで一斉に黙ってしまう、というのもいかにも権威主義で、お上にはいっさいさからわないまま「表現の自由」などと抜かすのも笑えるな。 「表現の自由」を守るためには必然的に公権力と対峙する場面
「菅さんに一貫していたのは、弱い立場の人への感受性の乏しい『麦踏み』の発想ではないでしょうか」。退陣の意向を表明した菅義偉首相についてこう評するのは、コラムニストの小田嶋隆さん(64)。7月下旬に脳梗塞(こうそく)で救急搬送され、約3週間、入院した。幸いにも経過は順調で仕事に復帰できたが、病を得て改めて思うのが、菅首相の政治姿勢の怖さという。就任1年で退陣することになったが、その言動が社会に残した影響は小さくないと感じている。【金志尚/デジタル報道センター】 7月に脳梗塞で救急搬送 「もうすっかり良くなりました。入院したときはしゃべりも怪しかったし、右手と右足が若干不自由だったんですけど、みるみる回復して。血栓を溶かす薬がよく効いたようです」 オンライン取材の画面越しに記者と向き合った小田嶋さんは開口一番、こう切り出した。顔色も良さそうだ。 異変に気づいたのは7月27日午後2時ごろ。「自宅
検事長の定年延長問題の国会審議で苦しい答弁をする森雅子法相の後ろで、やる気なしを態度で示す安倍晋三首相と麻生太郎副総理。 正直なところを告白するに、先月来、世間を騒がせている黒川弘務検事長の定年延長問題を、私は、見誤っていた。もう少し踏み込んだ説明をすれば、法律の専門家でもなければ、官僚人事についての「相場観」を身につけている人間でもないオダジマは、つい最近まで、安倍政権が、法改正を経ずに、閣議決定で検事長の定年を延長する挙に出たことの意味を、理解できずにいたからだ。 いや、ひどい話なのだということはわかっている。なにしろ前例のないことではあるのだし、三権分立が大切だということは、中学校の社会の時間に習って以来よく知っている。ただ、どれほどひどいのかという「程度」の問題が、実は、わかっていなかった。多方面で身勝手な横紙破りをやらかしている安倍さんと、その周辺の人間たちが、例によって、身びい
政治や社会を鋭く批評したコラムニストの小田嶋隆(おだじま・たかし)さんが6月24日、病気のため死去した。65歳だった。稀代の論客の功績を所縁のある関係者が跡づける連載の第3回は、小田嶋さんのツイートをまとめた著書『災間の唄』の選者・編者をつとめたライターの武田砂鉄さんがつづる。 「ということはあれだな」小田嶋さんが死んじゃって困っている。なぜって、死んじゃうと、「辛口の社会批評、コラムニストの小田嶋隆さん死去」(読売新聞)、「小田嶋隆さんが死去、65歳 反権力の論客、コラムニスト」(東京新聞)みたいな記事のタイトルに突っ込んでくれなくなっちゃうからだ。「辛口」ってなに。「反権力」ってなに。そこに印字されている言葉を疑って、「ということはあれだな」なんて振りかぶりながら、「ってことなのかね」なんて混ぜ返してみるあの感じがないと、小田嶋さんの仕事が「辛口」で「反権力」ってところで落ち着いてしま
2012年12月の第2次政権発足から7年8カ月余。安倍晋三首相は「美しい国」を掲げて憲政史上最長の在任期間を記録した。彼は日本になにをもたらしたのか。あるいはなにを壊したのか。その「なにか」を探り、社会に与えた影響を考える。初回は、コラムニストの小田嶋隆さん(63)。安倍首相の「言葉」と「記録」について聞いた。【塩田彩/統合デジタル取材センター】 国民が「転校していく級友を見送るような心情」に ――安倍首相の辞任をどのように受け止めていますか。 ◆今回の辞任表明は、聞いた側からすれば突然のタイミングだったかもしれないが、前回の第1次政権の時のように、体力的に限界を迎えての辞任とは異なると思います。安倍首相は8月28日の辞任表明会見で、自分の病気が再発し「大切な政治判断を誤ることがあってはならない」から辞めると述べた一方で、次の首相任命までは職務を全うすると言いました。コロナ対応などでは適切
佐々木俊尚 @sasakitoshinao 解放同盟など同和問題を批判的に報道することは、日本のマスメディアでは長くタブーになってるのです。過剰な自主規制もある(たとえば「指を四本に描くのは禁止」というメディアの自主規制について、解同はそんなことは求めてないと否定してますね)。 2019-10-03 17:17:55 佐々木俊尚 @sasakitoshinao ただタブーも突然壊れることがあります。かつては北朝鮮や朝鮮総連への批判もタブーでした。私は1994年「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」設立の際、朝鮮総連の妨害で集会が流れたことを記事にしたら。上司の社会部長から「おまえは朝鮮総連とケンカする気か!」と怒鳴られたことがあります。 2019-10-03 17:17:56
…炎上を語るためには、炎上を覚悟しなければならない。 ところが、いまの自分には、炎上を引き受けながら、炎上の本質をえぐる原稿を書くための精神の準備が整っていない。 こんなふうにして、炎上は、ものを言う人間から気力を奪っていく…… (略)…「たとえばこのケースの炎上では」 と、具体例を引いて紹介するつもりでいた3つほどの事例が、どれもこれもガソリンくさいので、書き起こす気持ちになれないのだね。 つまり、君たちの勝ちだということです。 手に手にトーチをたずさえて、燃え上がる話題に殺到するもぐらたたき趣味の匿名ネット民の炎上圧力が、発言者の意欲を鎮火させたということです。 話題を変える。 私が炎上を恐れるのは、自分自身が炎上後の焼け跡処理の面倒くささに辟易しているからでもあるのだが、それ以上に、同じ枠組みの仕事にたずさわっている仲間に余計な心労と迷惑をかけたくないからだ。 炎上はそういうふうに仕
「説明できることと、できないことってあるんじゃないでしょうか」。これは10月26日、NHKの報道番組「ニュースウオッチ9」に出演した際の、菅義偉首相の発言だ。日本学術会議の任命拒否問題を巡り、キャスターから「説明を求める国民の声もある」と振られると語気を強めて反論してみせたのだが、「説明できない」とは一体どういうことなのか。コラムニストの小田嶋隆さんは「一種の恫喝(どうかつ)」と語り、そこに菅政治の本質を見いだす。【金志尚/統合デジタル取材センター】 「『君たちの知らないところで事を進める』と言っているのと一緒」 ――NHK番組での発言をどう見ていますか。 ◆その直後に手でパンと机をたたきましたよね。…
なにより故人は人と人との距離感に敏感な方だったから、よけいにそう思うのだ。しかし編集部からの「小田嶋さんのツイートを拝見していてお親しいのかと思いましたので」という依頼文に、気むずかしさの中に、読み手にそう思わせる程度には好意を表現していただいていた故人への感謝を込めて書かせてもらうことにする。 初めて小田嶋さんにお目にかかったのは80年代の後半、当時私は『SFアドベンチャー』という徳間書店が出していたSF雑誌で読者投稿欄を持っており、その隣で小田嶋さんもコラムを連載されていた。その担当編集者が同じだったというご縁で顔を合わせることになったのだ。 『SFアドベンチャー』はSFプロパーの書き手が多い『SFマガジン』と違って中間小説誌を母体としていたので、小田嶋さんのようないわばアウトサイダーの起用も多かった。それゆえに彼のコラムは理性や相対価値観を持って任ずるSFファンに軽くケンカを売るよう
『災間の唄』出版記念 小田嶋隆・武田砂鉄対談 前編 小田嶋隆はツイッターで安倍政権とどう向き合ったか? 武田砂鉄が選んだ傑作ツイートで振り返る“政治と言論の劣化” 毎日ニュースが駆け巡り、炎上が起こり、侃々諤々の議論が繰り広げられているTwitter。その140文字の世界で、直球・変化球、時に暴投と角度を変えて球を放り込み、日々起こる事象に切り込んでいるコラムニストの小田嶋隆氏。「プロの文筆家」たる氏は、「私はこの十年間、寝ても醒めてもツイッターにどんな言葉を書き込んだらウケるのかということばかりを考えてきた」という。 そんな小田嶋氏の10年分のツイートが、厳選の上、このたび一冊の本にまとめられた。ツイートを選り抜いたのは、文芸誌からファッション誌まで幅広く連載を多数抱え、「80年代雑誌文化のラストランナー」と小田嶋氏が評するライターの武田砂鉄氏だ。 しかも、本のタイトルは『災間の唄』。2
政治や社会を反権力の立場から鋭く批評したコラムニストの小田嶋隆(おだじま・たかし)さんが24日、病気のため死去した。65歳。葬儀は近親者のみで営む。 【2022年に亡くなった方々】石原慎太郎さん、西村賢太さん 東京都生まれ。早稲田大卒。食品メーカーを退社後、ラジオ局アシスタントディレクター、作詞家などを経験する。雑誌「噂の真相」(2004年休刊)でコラムを連載し幅広い支持を得た。最近ではツイッターでも積極的に発言。19年に脳梗塞(こうそく)を公表し、その後入退院を繰り返していた。今月、自身初の小説集「東京四次元紀行」を刊行したばかりだった。 著書に「日本語を、取り戻す。」「小田嶋隆のコラムの切り口」「超・反知性主義入門」など多数。
書評家を名乗る豊崎由美さんと作家の栗原裕一郎さんが、TikTokでの書評をして上手くやっていたけんごさんをTwitterでDISった結果、それなりに燃えていたのを遠くから眺めておりました。 その後、ライターの飯田一史さんやCDBさんが言及していたのでふんふんと読んでいたんですが、なぜかお付き合いのあるテレビ局や出版社からもコメント依頼や状況説明の相談があったりして、まったく読んでもおらず詳しくもない豊崎由美さんの話をしなければならなくなったんですよね。みんな自分で豊崎由美さんの記事ぐらい読めばいいのに。私は読んでなかったけど。 豊崎由美氏「TikTokみたいな、そんな杜撰な紹介で本が売れたからってだからどうした」「書評書けるんですか?」~それへの反響 - Togetter https://togetter.com/li/1814617 で、界隈の人たちからも聞かれるのでさすがに私も豊崎由美
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