「開発費は払えない」――。日産自動車の田崎祐一氏(プラットフォーム・車両要素技術開発本部 内外装技術開発部 内外装HMI開発グループ)は、開発パートナーであるパナソニックの担当者を前に話を切り出した。 これは、次世代インテリジェントルームミラーの開発の一幕。日産が2016年に車両への搭載を始めた現行品に次ぐ3代目のプロジェクトを主導した田崎氏は、コスト削減策を検討した結果、開発費をパナソニックに支払わないという結論を導き出した。 この点を切り取ると「日産は非道だ」となるが、会話には続きがある。田崎氏は、「日産との共同開発品だが、他の自動車メーカーに自由に売っていい」とパナソニックに提案したのだ。 日産だけでは量産規模を確保できず 通常、自動車メーカーが部品メーカーに開発費を支払うと、その成果物は他社には供給できない。日産は、自社で次世代インテリジェントルームミラーを囲い込むのではなく、「他