曖昧な笑み - 堕落と虚無と文体練習 僕には知的障害の妹がいる。精神薄弱、自閉症と呼ばれる類の。 僕はこの話を人に話すとき、笑い話とか冗談を織り交ぜていうのだが、大抵の人は曖昧な笑みを浮かべ、時には怒り出す人さえいる。僕が欲しいのは怒りじゃない。僕が欲しいのは曖昧な笑みじゃない。 ただ普通に笑ってくれれば、それでいいのに。 そうそう、そうなんですよ。まったくその通りでございます。 妹が養護学校に通ってた頃、僕はフリーターで事務の仕事をしていた。 事務の仕事をしているとき、職場の先輩が「兄弟はいるの?」と聴いてきた。 僕は「兄と妹一人ずつ。僕が真ん中です。」と答えた。すると先輩は「妹いくつ?」と聴いてきたので、「 17歳です。」と答えると、先輩は「おー、女子高校生!!いいな」と満面の笑みを浮かべた。 僕はそのあとの先輩の女子高校生をネタにした話にずっと付き合って聴いてた。僕は自分の妹が養護学