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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/reizei (3)

  • 映画『風立ちぬ』のヒロインが「菜穂子」である理由

    宮崎駿氏の最新作『風立ちぬ』を見ました(以降は、ストーリー上の「ネタバレ」に触れている箇所もありますので、気になる方は映画を先にご覧になることをお勧めします)。 まず、零式戦闘機(通称「零戦」)の設計者である堀越二郎については、飛行機への思い一筋に生きた姿がアニメ一筋に生きた宮崎氏自身の生き方と重なって説得力がありました。戦争の問題については、控えめな表現ですが「国を滅ぼしてしまった」「(零戦は)一機も帰って来なかった」という台詞が全てを語っているように思います。 色々な議論が可能と思います。ですが、亡国に至った戦争は否定するが、資源の物量を技術力で補って究極の抑止力を目指した零戦開発の努力までは否定しないという宮崎氏の立場について、私は納得させられたということは申し上げておこうと思います。 ところで、この作品ですが、その堀越二郎の「零戦開発奮闘記」というストーリーに、堀辰雄の小説『風立ち

  • フロリダの悲劇で大問題に発展した「正当防衛法」とは?

    2月にフロリダ州中部のサンフォードで発生した、住宅地の自警ボランティアによる黒人少年の射殺事件ですが、その後、このジョージ・ジマーマンという28歳の行為に関しては、全米を揺るがす論争に発展しています。 この問題ですが、白人が黒人を撃ってしまい、保守派は正当防衛を主張、一方でリベラルは有罪を要求するというような「典型的な」議論とは相当に異なっています。 問題を複雑にしているのは、2つの要素です。それは、ジマーマンという男性が白人でなくヒスパニックであること、もう1つはフロリダ州など南部に多い「正当防衛法(スタンド・オン・ユア・グラウンド・ロー)」が絡んでいるという点です。 やや大雑把な言い方になりますが、仮に今回の事件が「白人が撃った」ケースであれば、これほどの騒ぎにはならなかったと思われます。今回のような相当に一方的な射殺ということでもそうです。というのは、現在の大統領は黒人のオバマであり

  • 風評のパワーを甘く見てはいけないのではないか?

    風評というのは「感情論」であるのは間違いありません。 それは、現在進行形の事象ではなく、過去の現象を振り返れば容易に分かることです。例えば「新型インフル」騒動がいい例でしょう。「水際作戦」といって検疫官の方々にまるで放射線防護服のような格好をさせて成田着の北米便の「疑い例」を調べさせたり、短期留学で感染者を出した学校に犯罪者のような視線が浴びせられたことなどは、今では完全に記憶の彼方の話です。 他にも色々な例があります。9・11の同時多発テロの直後に、日の企業が「海外出張自粛」をしたために、全く無関係なドイツの書籍見市「フランクフルト・ブックフェアー」の日関係のブースが空っぽになって顰蹙を買ったこと、同じく9・11の直後「米軍基地がテロリストに狙われる危険」を理由に、土の学校が沖縄への修学旅行を「自粛」したこともありました。こうした事件も、今では完全に過去形です。 勿論、風評は日

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