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円安とは
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──フランスのどちらで生まれ育ったのですか。 フランスの南部にアルビという都市がありますが、そこから車で15分くらいのラバスティード-ガボスという、人口400人ほどの田舎で生まれ育ちましたので、けっこうな田舎者です。 そんな環境でしたので、家族も周りの人も、極東に関する知識はあまりないというか、日本と中国の区別もつかないレベルでした。高校で日本について習ったことはありましたが、本当に関心を持っていたとは言えません。 高校3年生のとき、アルビの書店で『日本語のまねきねこ』という日本語の教科書を見つけ、「面白そうだな」と買いました。最初は独学で、やがて日本の大学で学ぶことになりました。そもそもは日本語という言語に魅力を感じて始めた勉強だったんです。 ──その後、歴史の研究者を志されたわけですが、何か決定的な本との出会いがあったりしたのですか。 いろいろな本を読んで歴史への好奇心が出てきたのです
欧米各地で「出社回帰」の動きが広がっている。オフィス勤務の日数が徐々に増えるなかで、人々の生活習慣、および消費傾向も変化している。 その変化を顕著にあらわしているのが「ユニクロ」で、Z世代の若者、特に女性から支持を集めていると、米誌「フォーチュン」が報じている。 背景にあるのは、オフィスでも普通の外出でも使える「汎用性の高い服」への需要の高まりだという。
デイヴィッド・オーターは、AIを楽観視するとは思えない人物だ。マサチューセッツ工科大学(MIT)で労働経済学を研究するオーターは、テクノロジーとグローバル化が専門性や経験のない「ミドルスキル労働者の雇用」を脅かしてきたと、これまで指摘してきた。 だが彼はいま、「生成AIの波」がこうした中間層にある人たちの雇用を後押しする可能性があると述べる──その理由とは? AIが「エリート専門職」を開放する理由 2024年2月、デイヴィッド・オーターは米誌「ノエマ・マガジン」で発表した論文で次のように書いた。 「AIはうまく利用さえすれば、自動化とグローバル化によって空洞化した米国労働市場の要である中間層の復活に、一役買う可能性があります」 そしてオーターは、医師や弁護士、ソフトウェアエンジニア、大学教授といった専門知識をもつ高所得エリート層の仕事の一部を、より多くの人が担えるようになると説く。 大卒以
日本企業に対し、自社株買いや政策保有株式の売却など、株主価値の向上を求めるアクティビスト(物言う株主)ファンドの動きが活発化している。そして最近、株式だけでなく、東京の「隠された不動産」が彼らの標的になっているという。米経済メディア「ブルームバーグ」がその動きをレポートする。 長年隠されてきた不動産の含み益 東京の長らく隠されていた不動産の市場価値が、アクティビストによって明らかにされつつある。 日本企業の多くは何十年にもわたって不動産を保有しており、毎年、一般的な会計慣行である年次減価償却費のために簿価が下がる一方、不動産価格は高騰している。 つまり帳簿上の不動産資産の評価と、同じ不動産を現在の市場で売却した場合に取得される金額との間には、大きなギャップがあり、推計では1430億ドル(22兆円)といわれている。 企業に圧力をかけてこれらの保有資産を売却させることで、数十億ドルの価値を引き
「メイド喫茶風」の店が増えすぎた 日本発の「メイド喫茶」は、2010年頃から中国の主要都市でも増えていた。現在は中国全土で数千店が営業しているという。 だが、同国ではこのビジネスが物議を醸しているようだ。その将来は「脅かされている」と、中国メディア「シックス・トーン」が報じている。 メイド喫茶に関する裁判が最初に起きたのは2023年、義烏市でのことだった。「店で性的暴行事件が発生したこと」をきっかけに大規模な調査が開始され、最終的に地方検察院が事業者らを起訴した。 というのも、調査の結果、「義烏にある数百のカフェやeスポーツ会場が、メイド喫茶スタイルのサービスを提供していた」という。 そうした店では「ひざまずいてお茶を出したり、男性客にマッサージをしたり、入店した客に『おかえりなさいませ、ご主人様!』と叫んだりするのを女性店員に強要していたことを、地元当局が発見した」のだ。 これらのサービ
日本アニメの黎明期から作品を手掛け、多くの名作を世に送り出してきたアニメ監督のりんたろう。『銀河鉄道999』や『メトロポリス』などの代表作を持つ彼が、フランスで自伝的なバンド・デシネ(漫画の一種)を出した。刊行にあたり、仏紙「ル・モンド」が取材している。 戦後日本で生まれた少年が「りんたろう」になるまで フランスで1月末、一風変わった『1秒間24コマの私の人生』というバンド・デシネが刊行された。異種混交のハイブリッドな作品であるだけではない。日本のアニメ業界の柱石を担ってきた重鎮の証言集でもある。 作者のりんたろうは、『鉄腕アトム』(1963-66)、大作『メトロポリス』(2001)、『宇宙海賊キャプテンハーロック』(1978-79)、『幻魔大戦』(1983)などのアニメ作品の監督を務めた人物だ。このバンド・デシネでは、林重行がいかにして、りんたろうになったかという物語が語られる。 映画の
かつて、米国人が必死になって集めるトレーディングカードといえば、野球選手のカードだった。現在では、ポケモンカードがこの座を奪っており、その熱は簡単には冷めそうにない。 しかし、ポケモンというコンテンツは20年以上続いてきた一方、ポケモンカードの人気がこれほど爆発したのはここ数年のことだ。ポケモンそのものの人気以外に、何がポケモンカードの人気を押し上げたのか。米誌「ファスト・カンパニー」がその秘密に迫った。 短期間で野球カードに勝利 親たちが野球選手のミッキー・マントルのカードを自転車のスポークに挟んでしまった思い出を語るのも、もう遠い過去のものとなった。最近の親たちは、収集品を大切にするよう語る際に、00年代初頭、初代の「ひかるリザードン」を昼休みのカードバトルに使って価値を下げてしまったことについて話すだろう。 だが実は、カードの状態や真偽の鑑定、グレードづけをする業界の最大手「PSA(
日本では「ウーマノミクス」のおかげもあって女性の労働参加率が急上昇しており、この経済学者も想定外だった「驚きの現象」は米国の労働市場に教訓を与えると、米紙が報じている。 FRBに突きつけたメッセージ 2024年は日本経済がニュースの見出しを飾っている。数十年ぶりにインフレが到来し、労働者が賃上げを勝ち取り、日本銀行が17年ぶりの利上げに踏み切ったことが背景にある。 ただ、日本経済にはもうひとつ、米国の政策立案者の関心を引きそうな長期的な傾向が生じている。女性の雇用が着実に増加しているのだ。 日本では近年、生産年齢人口の女性の労働市場への参入が進んでいる。労働市場の逼迫が企業に新規雇用の確保を促すなか、その傾向はここ数ヵ月間も力強く続いている。 女性の労働参加率が急上昇したのは意図的な部分もある。日本政府は2013年ごろから、公共政策と企業文化の両面で、女性が働きやすい環境づくりに努めてきた
エジプト出身の大砂嵐ら、試合前に舌戦も 角界“追放”の元力士が出場、米国流SUMOに現地メディアも驚き 2024年4月13日、米ニューヨークで開催された「ワールド・チャンピオンシップ・スモー(WCS)」で、トロフィーを掲げる大砂嵐とソスラン・ガグロエフら Photo: Roy Rochlin / Getty Images 米ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで相撲の世界大会とされるスポーツイベントが開かれ、米紙「ニューヨーク・タイムズ」によると、観客はプロレスさながらのリングネームや相手選手への挑発も含む“米国流”の相撲を興味津々で楽しんだという。 同大会には、大相撲の元幕内で引退勧告の処分を受けたエジプト出身の大砂嵐や、大麻所持事件で日本相撲協会を解雇された元若ノ鵬とみられる選手も出場。それぞれ現地メディアの取材に応じている。 「礼儀正しい日本の相撲」と大違い 複数の現地メディ
デンマークの製薬会社ノボノルディスクが開発した肥満症治療薬「ウゴービ」が、国の承認を受けて日本国内での販売が開始された。ノボがアジアで最初の市場として日本を選んだ理由について、米メディアが日本法人の社長に聞いた。 実は高い日本の肥満率 肥満を病気と認識する人が少なく、肥満に対する偏見がある。それこそが、デンマークの製薬大手ノボノルディスクが、アジアで最初に肥満症治療薬「ウゴービ」を発売する市場として日本を選んだ理由だった。 「この先、人々の意識を変えるという大きな課題が待っています」と、日本のノボノルディスク ファーマ株式会社の代表取締役社長であるキャスパー・ブッカ・マイルヴァンは語る。 2020年の調査によると、日本人男性の肥満は増加傾向にあり、20代で肥満になる人の数は過去30年間で倍増している。肥満症治療薬の市場は世界中で拡大しており、ノボの株価は過去12ヵ月で約70%上昇した。ノボ
映画『ドライブ・マイ・カー』に続き、『悪は存在しない』と『GIFT』でも濱口竜介の監督作品の映画音楽を担当した石橋英子。シンガーソングライターで作曲家でもある彼女は、ジャンルの垣根を身軽に乗り越えて活躍する。そんな石橋に、英「ガーディアン」紙が取材した。 ヒッチコックとハーマンにせよ、スピルバーグとウィリアムズにせよ、もっと近年でいえばヴィルヌーヴとジマーにせよ、映画監督とそのお気に入りの作曲家が繰り返しタッグを組んで輝かしい成果をあげる例は珍しくない。 最近では、濱口竜介と石橋英子の事例が目立っている。石橋が担当した映画『ドライブ・マイ・カー』のジャズ・ポップなテーマ曲は非常に素晴らしく(哀愁と寛大な心を想起させ、アコーディオンの調べにはややフランスを思わせるふしもある)、この日本映画がカンヌ国際映画祭で4冠に輝き、さらには2022年のアカデミー賞作品賞ノミネートおよび国際長編映画賞受賞
2023年10月7日のハマスによるイスラエルへの大規模攻撃以来、イスラエルを一貫して支持してきたドイツ政府。同時に、国内でのパレスチナ人に連帯しようとする動きも封じられようとしている。それはイスラエルに反対するユダヤ人であっても同様だ。ドイツでいま何が起きているのだろうか。 イスラエルの安全はドイツの「国是」 ホロコーストで約600万人のユダヤ人を組織的に殺害した過去のあるドイツは、第二次世界大戦後、イスラエルを軍事・財政面などで一貫して支援してきた。さらに「決して繰り返さない」というスローガンの下に、国内ではユダヤ人に対する加害の歴史が積極的に教えられてきた。そうして過去を克服し、人権と民主主義を重視するのが、1990年に東西ドイツが統一されて以降、国家のアイデンティティとされたのだ。イスラエルとの特別な関係が強調され、「イスラエルの安全は、ドイツの国是」とされた。 2023年10月7日
再び精神状態が不安定に Wi-Fiルーターの交換は新たなトラブルをもたらした。フラミニはこの新しいルーターが耳には聞こえない超音波を出していると感じ、頭痛に悩まされるようになった。副鼻腔が痛み、鼻血も出はじめた。 彼女は防犯カメラを使って体調の悪さを伝えようとした。モトリルの洞窟探検チームのリーダーを務めるダビッド・レイエスはこう話す。「カメラに彼女の姿が映っていたのはわずかの間にすぎず、音が録音されないので何を言っているのかわかりませんでした」 2022年9月初旬、冒険を始めて300日近く経った頃、彼女はテントを持って地上へ至る竪穴を上がり、洞窟の入り口付近にテントを張った。それから食料と水を取りに下に戻り、また上がってきた。洞窟を出てから6日後、レイエスが洞窟を訪れ、テントを発見した。フラミニは手短に事情を説明した。 このやりとりは、フラミニが自らに課した隔離の重要な条件のひとつを危う
新宿・歌舞伎町のホストクラブが若い女性客に高額な売掛金(ツケ)を不当に背負わせ、売春などを強制している問題に中国紙が注目。借金返済のため海外でセックスワーカーとして働かされた被害者女性と、支援団体に取材し、ホストの悪質な手口に迫った。 ユウ(仮名)は緊張していた。 たえず髪の毛を引っ張り、できるだけ顔が隠れるようマスクを動かす。 彼女は落ち着きなく動きながら、輪ゴムで束ねられた十数枚のクレジットカードと、法外な金額のホストクラブの請求書のコピーを私たちに見せた。店ではクレジットカードを使って、無理やり高額な支払いをさせられた。 ユウが怯えるのも無理はない。私たちはネオンきらめく、新宿・歌舞伎町の歓楽街にいた。言葉巧みに彼女を操り、1500万円もの借金を負わせたホストが働くクラブから、わずか数百メートルの距離だ。この街の性産業を牛耳るヤクザの事務所からもそれほど離れてはいない。 ユウはホスト
2008年に中国で出版され、2014年に英語版が出たのを機に世界的ベストセラーとなった長編SF小説『三体』。3月には『ゲーム・オブ・スローンズ』の制作陣による実写ドラマ版が配信され、いまなお新たなファンを獲得している。英紙「ガーディアン」が、本作のヒットの理由やSFとの出会い、実写化、そして物議を醸した過去の政治的発言について、著者の劉慈欣に聞いた。 「中国にもSFはあるの?」 中国人作家・劉慈欣によるSF小説『三体』は世界中で数千万部を売り上げており、2015年のヒューゴー賞をはじめ、数々の賞を受賞している。本作はいま、『ゲーム・オブ・スローンズ』の制作陣が手がけた実写版が公開されたのを受け、英語版がふたたびアマゾンのベストセラーチャートにランクインしている。 しかし、10年前の英国で、劉や『三体』の名を聞いたことがある人はほとんどいなかった。この小説は、現代の科学者たちの怪死事件を発端
宇宙人を信仰し、性の解放を訴える「ラエリアン・ムーブメント」。日本でも「UFO教」、「フリーセックス教団」などと表現されてきた、フランス発祥の新興宗教団体の今昔を、仏紙「フィガロ」が追った。どうやら預言者ラエルはいま、日本で暮らしているという。 2024年、クロード・ボリロンが神話を発案してから50年になる。「1973年と1975年にエロヒムに遭遇した男、ラエル」の物語である。エロヒムとはいわゆる人類の創造者たちで、彼らは空飛ぶ円盤に乗ってやって来て、元ジャーナリストでミュージシャンのボリロンを、地球でのメッセンジャーに任命し、彼を「ラエル」と命名したという。 エロヒムたちが地球に戻って来るまでの間、ボリロンはいくつかのミッションを託された。あらゆる大宗教を否定し、彼らを迎え入れる大使館を建設すること、瞑想によって人類を目覚めさせること、性の解放を実現すること、「人類は2万5000年前に研
ユダヤ人歴史学者アヴィ・シュライム(78)はイスラエル建国の歴史に新たな視点を提示し、「新しい歴史家」と呼ばれた。バグダット生まれの彼はイスラエル批判をすることから、その主張は論争を呼んできた。10月7日のハマスによるイスラエルへの大規模攻撃後、シュライムの発言は再び注目を集めている。 「論争」を呼ぶ歴史家 1988年、「新しい歴史家」とされた3人のイスラエル人歴史家が、同国の誕生にまつわる秘密を明らかにした。それまでイスラエルの建国の歴史は、英雄的なものとして語られていた。 ベニー・モリスは、1948年に「パレスチナ人の多くは自発的に家を去ったのではなく、イスラエルの司令官に残酷に立ち退かされた」という記録を明らかにした。イラン・パペは、「(パレスチナを支配していた)イギリスはユダヤ人国家を妨害せず、パレスチナ人を見捨てた」ことを示した。 そしてアヴィ・シュライムは、「1948年の戦争で
米国のアマゾン・プライムの会員数が、最高記録を更新した。 プライム会員の数を追跡しているコンシューマー・インテリジェンス・リサーチ・パートナーズの調査によると、2024年3月の会員数は、前年同月比8%増で、約1億8000万人だった。 この数は「米国の買い物客の75%がプライム会員であること」を示しているという。
およそ20年前、論文に「中絶が合法化されると犯罪が減る」とするデータが示された。さらに、ベストセラーになった『ヤバい経済学』ではその要旨が書かれ、大きな物議を醸した。そして20年後にこの仮説を再検証した結果、なんと予想が見事に裏付けられていたという。『ヤバい経済学』の著者の一人スティーヴン・レヴィットとスタンフォード大学法科大学院教授ジョン・ドナヒューが、この仮説に否定的な姿勢をとり続けてきた英「エコノミスト」誌に寄稿した。 私たちが人工妊娠中絶の合法化と、1990年代の米国で犯罪件数が激減したことを関連づけた論文を発表してから20年以上が経過した。その根拠は明快だ。 すなわち、「望まれずに生まれた子供は恵まれない環境に育ち、後年、犯罪に加担する割合が非常に高くなる。合法的な妊娠中絶は望まれずに生まれてくる子供の数を減らし、結果として犯罪も減る」。ただし、その効果が表れるまでかなりの時間差
この記事は、ベストセラーとなった『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』の著者で、ニューヨーク大学スターン経営大学院の経営学者であるスコット・ギャロウェイによる連載「デジタル経済の先にあるもの」です。月に4回お届けしています。 数週間前、ケタミン療法を体験した。ポッドキャスト「Pivot」と「Prof G Pod」でそれについて話したところ、友人や知らない人、そしてメディアからの問い合わせが殺到している。 私はこの体験に関する自分の認識が、どのように進化/成熟/拡張(適切な言葉が見つからなかった)していくのかまずは静観し、ダニエル・カーネマンの助言に従い「遅い思考」を活用したいと思っていた。 また、私が体験した治療法の背景と技術について、そして大勢の人々が様々な状況で使うようになった薬物について、調べてみたくなった。ともあれ、私のケタミン療法体験についてお話ししよう。 麻酔薬
クーリエ・ジャポンのプレミアム会員になると、「ウォール・ストリート・ジャーナル」のサイトの記事(日・英・中 3言語)もご覧いただけます。詳しくはこちら。 時価総額で世界上位を占めるテック企業は、驚くほど若い起業家たちが寮の部屋やガレージ、飲食店などを拠点にして立ち上げたものだ。創業時にマイクロソフトのビル・ゲイツ氏は19歳、アップルのスティーブ・ジョブズ氏は21歳だった。アマゾン・ドット・コムのジェフ・ベゾス氏とエヌビディアのジェンスン・フアン氏は30歳だった。 だが、世界で最もかけがえがない価値を持つと言ってもよい企業を、張忠謀(モリス・チャン)氏が立ち上げたのは55歳のときだった。 かつて彼ほど年を重ねた人物が、台湾積体電路製造(TSMC)ほど価値のある企業を一から始めたことはなかった。半導体受託製造の世界最大手であるTSMCは、コンピューターや電話、自動車、人工知能(AI)システム、
人の脳を人が食べる風習 だが、人の脳を食すことが許容されただけでなく、風習だった時代と場所がある。 米ロングアイランド大学CWポスト校の生物学名誉教授で、『カニバリズム──まったく自然な歴史』(未邦訳)の著者であるビル・シャットは言う。 「理由はともかく、仮にあなたが誰か人を食べていたとしましょう。そのとき、あなたがその脳を食べない理由が私には見当たりません」 ヨーロッパで発掘された、10万年前にさかのぼる先史時代の人骨には、脳が取り出された、ひび割れた頭蓋骨含め、食人の形跡が見られる。 近代に入ってからも、風習としての食人には、脳を食すことが多く含まれていた。なかでも有名な一例が、パプアニューギニアのフォレ族だ。 脳を食すフォレ族の慣習は、特異的に悲惨な結果をもたらした。それは現代の米国人が脳を嫌悪するまた別の理由を説明するものでもある。すなわち、病の恐れだ。 1950年代に、200人ほ
過去の栄光にあぐらをかくのは間違い フランス料理がかつてのような世界的地位を失いつつあることに危機感を覚えたマクロン政権は、来たるパリ五輪に向けて自国料理の復権を図ろうと、「フランス高級料理」国家戦略を発表した。 その戦略について、オリビア・グレゴワール観光相が仏紙「ジュルナル・デュ・ディマンシュ」の取材に応えている。 なぜ高級料理のための戦略を発表したのかとの問いに対して、グレゴワールは次のように言う。 「フランスは偉大な美食の国であり、世界中でもそのように認められています。とはいえ、国際舞台での競争が激しさを増して久しく、影響力を失いつつあります。過去の栄光にあぐらをかいているのは間違いであり、われわれはこの分野での優位をふたたび確かなものにする所存です」 この計画の主軸は何かとの問いに対して、3点挙げられるとグレゴワールは答える。
「『ステーキは食べられるけど、牛の脳なんて、これまで聞いたなかでいちばん極端な食べ物だ』と人々が言ってもいまはおかしくありません。でも歴史を通じて、それは問うまでもないことでした。『どの文化で脳が食されたのか?』と問う必要などなかった。誰もがそれを丸ごと食べていたのですから」 そう語るのは、内蔵の料理本を書いたヘルスコーチのアシュリー・バンハウテンだ。 伝統的に、多くの文化で動物の脳はごちそうと考えられてきた。そしてそれは、無駄ゼロの精神からというだけではなかった。濃厚で、脂肪分に富み、繊細な脳の舌ざわりと風味はユニークで、しかも脳はほかの部位と比べて手に入れるのが難しかった。 動物ごとに脳はひとつしか取れないというだけではない。自身のブログ「オファリー・グッド・クッキング(内臓的にいい料理)」で内臓肉の摂取を啓蒙する料理記者のジャニン・ファルジンは言う。 「頭蓋骨を切り開くのがものすごく
老舗の自動車企業がEV移行に苦戦するなか、売り上げを伸ばしているのがドイツの高級車メーカーBMWだ。成長の礎となっているブランド力と技術力、そしてその巧みなビジネス戦略を米紙「ニューヨーク・タイムズ」が取材した。 老舗メーカーの「希望の光」 ドイツ南部の都市ミュンヘンにあるBMWの工場を訪れると、ロボット溶接機の火花を浴びながら組み立てラインを流れる車体が見えた。 それが電気自動車(EV)なのか、ガソリン車なのか、一見しただけでは区別がつかない。多くの専門家によると、これは芳しくない状況だ。 BMWのEVはガソリン車と同じ組み立てラインで製造されており、外観も似ている。4車種(EV、ハイブリッド車、ガソリン車、ディーゼル車)に同じ基本ボディを使用するというこの手法は、「奇妙で非効率的な妥協案」と言われてきた。一部の老舗自動車メーカーにとっては、EVだけを生産するテスラや中国の新興メーカーに
米FX製作のドラマ『SHOGUN 将軍』(日本ではディズニープラスで配信中)が欧米で高く評価されている。米誌「アトランティック」はその魅力とポップカルチャー史における意義を考察──「ハリウッドの長年の侍ステレオタイプに挑戦した異色作だ」と称える。 真田は新境地を切り開いた 米国人の大半は、刀を手にしていない真田広之を見たことがないだろう。2003年の『ラスト・サムライ』で世界に飛び出して以来、真田はハリウッドでヤクザのボス役や侍役をほぼ独占してきた。 『アベンジャーズ/エンドゲーム』ではホークアイと対決し、『ジョン・ウィック:コンセクエンス』ではキアヌ・リーブスを守った。そうかと思えば、あれ、新幹線でいまブラッド・ピットがすれ違った人って? 真田だ。そして、またまた刀を持っている。 だからFX製作のドラマ『SHOGUN 将軍』で真田が刀を振り回しても驚きはない。何十年も侍を演じつづけてきた
関係の修復には時間がかかる ──あなたは数十年を米国で過ごし、米中のつながりを注視されてきました。そこでまずは、結果的に世界に大きな影響を与えるであろう、米中関係についてうかがっていきたいと思います。現時点、特に2023年に両国首脳が会談して以降の米中関係について、どう評価されますか。 2017年後半あたりから、米中関係は悪化しました。ちょうどそのころ、ワシントンでは2つの重大な報告がありました。ひとつは2017年12月に国務省から、もうひとつは翌月の2018年1月に国防総省から。これらの文書は、現行の対中政策は失敗しており、米国が計画、予想したようには事が運ばないであろうという内容です。 後者の文章は、9.11以降の米国の第一の敵はテロリスト集団で、第二は北朝鮮、イラン、イラクなどの、いわゆる「ならず者国家」としています。 そして第三の敵として、「修正主義国家」を挙げていますが、これは中
4月11日、大谷翔平の通訳を務めていた水原一平が、大谷からおよそ1600万ドル(約24億5000万円)をだまし取ったとして、銀行詐欺容疑で司法当局から訴追された。これに関して、大谷は「被害者である」と連邦検察は断定している。 一連の報道を受け、米紙「ロサンゼルス・タイムズ」のスポーツコラムニストが記事を掲載した。当初は大谷に疑いの目を向けていたという記者は、いま何を思うのか? 「何も知らない」なんて嘘だと思った 薄暗い奈落の底に沈んでから二週間。大谷翔平の伝説は突如息を吹き返し、重大な嘘と詐欺という厚い層を突き破って、力強く浮上した。 それは、彼の誠実さを疑う人々に微笑みかけ、彼の志に疑問を抱く人々に対して首を横に振る。伝説は生きているのだ。 違法賭博のために送金された450万ドルについて「何も知らなかった」と大谷が言ったとき、私はまったく信じられなかった。 だが、ギャンブルによる借金を支
最新のニュースに登場した時事英語を紹介するこのコーナーでは、世界のニュースに出てくるキーワードを学ぶと同時に、ビジネスの場や日常会話のなかでも役立つ単語やフレーズを取り上げていきます。1日1フレーズずつクイズ感覚で学び、英語に触れる習慣をつくっていきましょう。語彙力の向上には、日々の積み重ねが大事です。 今日の時事英語 2024年4月13日(土)の「CNN」に次の一文がありました。 CNN’s Australian affiliate, 9 News Sydney, spoke to an eyewitness who said people were running through the shopping center and falling over each other, describing the situation as “pandemonium.”
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