私はどちらかというと寒がりだ。旅行で好んで訪れるのはもっぱら暖かいところばかり。北海道に2年間住んでいたが寒さに慣れることはなかった。カリフォルニアに住んでいた頃、夏になると職場のエアコンの設定温度が20ºC以下だったので、体が冷えて仕方がなかった。アメリカ人の体感温度は私のそれと大きく違うようだ。 ヨコヅナクマムシは札幌市で発見した。つまり、道産子である。暑いのは苦手であろうことが予測される。ヨコヅナクマムシの飼育を始めた当初、恒温槽の温度を25℃に設定していた。この温度設定で飼育をしてもクマムシが増えることは増えるが、早死にする個体もちらほらいた。そこで少し温度を下げて22℃で飼育をすると、早死にする個体もほとんど無く、寿命も平均で10日以上延びた。それ以降、ずっと22℃でヨコヅナクマムシの飼育を行なってきた。 私が博士号を取得したばかりのころ、東京大学で國枝武和助教とヨコヅナクマムシ