マーケティング会社時代に学んだことの中で、最も重要な事項の一つは、間違いなく「悪い知らせはさっさと伝えること」だった。 例えば、こんな話だ。 もう6年以上も前のことである。 私はYさん(仮名)と、ある大手デベロッパーのリサーチプロジェクトを担当した。 そのクライアントは、私が担当していた顧客の中でも優良顧客と呼べる1社で、太く長くお付き合いをさせてもらっていた。 Yさんの以前は、Sさん(仮名)とプロジェクトを一緒に行うことが多く、実際Sさんのおかげで優良顧客になっていたようなものだった。 ところが、Sさんはステップアップを理由に別の会社へ転職をしてしまった。その代わりに入ってこられたのがYさんである。 年齢は私よりも遥かにうえで経験豊富なベテランだと聞いていた。 役割分担は私がプロジェクトマネージャーで、YさんがSさんに代わりリサーチャー。 東西主要都市のマンションオーナーに対して定性調査