ブックマーク / mess-y.com (24)

  • 『この世界の片隅に』と凶器としての「普通」 - messy|メッシー

    私がこうの史代原作のアニメ映画『この世界の片隅に』を見たのは最近のことです。単に出遅れていました。でも、作が上映され始めたとき、少し衝撃を受けたことはよく覚えています。「祖母と見に行った」「祖母のことを思い出した」というつぶやきがSNSやブログにあふれたのです(注1)。 (注1:例えばこのまとめにある記事など。http://momomomo1232.hatenablog.com/entry/2016/11/30/010619) その時は素直に、これはすごい作品なのかもしれないと思いました。ですが、なぜこんなにも、北條すず(旧姓浦野)というヒロインを自らの祖母や母に重ねる人が多いのか、と奇妙な感じも残りました。 仕事で予定が合わず、1月の末にようやく映画を見に行きました。そして漫画原作も購入して読みました。以下では基的に映画版についての感想を中心に書きますが、必要に応じて適宜漫画版につい

    『この世界の片隅に』と凶器としての「普通」 - messy|メッシー
  • 「発達障害は親のせい」はデマ。発達障害の診断は、これからを考えるためのステップ 児童精神科医・姜昌勲さんインタビュー - wezzy|ウェジー

    2017.03.02 「発達障害は親のせい」はデマ。発達障害の診断は、これからを考えるためのステップ 児童精神科医・姜昌勲さんインタビュー 「発達障害は親の愛情不足のせいであり、近頃は親のしつけがなっていないので発達障害が増えている」という言説がある。近年、保守派の議員に浸透していると指摘される、一種の教育思想「親学」が、同様の主張を展開していることは有名だろう。しかしこうした言説は、決して特定の思想をもった人々だけに見られるようなものではない。今回お話を伺った、奈良市にある「きょうこころのクリニック」の院長で、『あなたのまわりの「コミュ障」な人たち』(ディスカヴァー携書)や『各分野の専門家が伝える 子どもを守るために知っておきたいこと』(メタモル出版、著者多数)などの著者でもある姜昌勲先生はこう話す。 姜「『あんたのしつけが悪いから、子どもが発達障害になった』と話す人は臨床現場でも頻繁に

    「発達障害は親のせい」はデマ。発達障害の診断は、これからを考えるためのステップ 児童精神科医・姜昌勲さんインタビュー - wezzy|ウェジー
    symbioticworm
    symbioticworm 2017/03/03
    親をはじめとした周囲の働きかけによって非定型発達者が相対的に欠点の目立たない暮らしが可能になるというのはありうるが、それは育て方次第で発症しなかったり治るということとは違う。
  • 「不快な思い」とは何か 日本マクドナルドの対応から考えるメディアと差別の関係 - wezzy|ウェジー

    12月5日に、日マクドナルドの公式 Twitter で紹介されたキャンペーン動画が、三日という短期間で公開が取りやめとなった。 この動画は、登場する男性(怪盗ナゲッツ)があるゲームに負け、罰ゲームとして他の男性(カズレーザー)から頰にキスをされるというものだ。男性は後ろから別の登場人物(安藤なつ)に羽交い締めにされ、不快感を全面に表現しながら罰ゲームを受ける。それが同性愛者に対して差別的であるという指摘が多数 SNS に投稿され、日マクドナルドは8日、「お客様にご不快な思いをさせ、深くお詫び申し上げます」というおきまりのフレーズを残し、動画を非公開にした。 これにて一件落着……なのだろうか? あるコンテンツが差別的な要素を持っている、それに対して批判の声が集まる、そしてそのコンテンツが削除される……その後私たちに残るのは、いつだって「不快な思いをさせてしまい申し訳ありません」という言葉

    「不快な思い」とは何か 日本マクドナルドの対応から考えるメディアと差別の関係 - wezzy|ウェジー
  • デフレ化する「LGBTフレンドリー」~電通過労死事件とエリート・ゲイ写真から考える「働きやすい職場」 - wezzy|ウェジー

    2016.11.05 デフレ化する「LGBTフレンドリー」~電通過労死事件とエリート・ゲイ写真から考える「働きやすい職場」 先日、LGBTと職場環境について考える都内のイベント「Work With Pride2016」の中で、電通が「LGBTの働きやすい職場」としてゴールド賞を表彰されたというニュースをみて、アタマを抱えた。電通といえば、20代の新入社員だった高橋まつりさんが、長時間労働とパワハラ・セクハラの末に過労自殺したことで世間をにぎわせている。電通は1991年にも入社後1年5カ月の男性社員が過労自殺した「電通事件」が起きていて、今回の事件は、過去の教訓を活かしきれなかった結果とも言われる。 高橋まつりさんの事件を知った翌日、私は、とある女子大の労働福祉の授業で、講師を務めることになっていた。テーマは「LGBTと労働福祉」。近年、若者の間ではLGBTに対する興味や関心は非常に高い。一

    デフレ化する「LGBTフレンドリー」~電通過労死事件とエリート・ゲイ写真から考える「働きやすい職場」 - wezzy|ウェジー
  • ママパパ必読のバイブル! 子育て界のトンデモをまとめて検証した『子どもを守るために知っておきたいこと』 - wezzy|ウェジー

    2016.08.21 ママパパ必読のバイブル! 子育て界のトンデモをまとめて検証した『子どもを守るために知っておきたいこと』 インターネットによって情報があふれかえる今、〈科学的根拠のない効果効能を謳う物件〉が続々と発生しています。主観による判断が大部分を占めるスピリチュアルな物件の場合は人が納得してれば他人がとやかく言う必要はありませんが、健康問題がからむ物件となると別問題。さらにそれらの通称〈トンデモ〉が子育て界へ及ぶと、問題は拡大していきます。子育て真っ最中の親は混乱し、子どもが被害をこうむるからです。 この夏、13人の専門家によって書かれた『各分野の専門家が伝える 子どもを守るために知っておきたいこと』は、そんな罪深き〈育児界周辺に出回るデマ〉を、幅広く解説しています。同書に取り上げられている物件は、育児章では自然分娩や母乳・体罰・紙オムツなど、医学章ではワクチンやフッ素、発達障

    ママパパ必読のバイブル! 子育て界のトンデモをまとめて検証した『子どもを守るために知っておきたいこと』 - wezzy|ウェジー
  • セレブのフェミニスト宣言は、ショービズを成立させる女性蔑視を変えることはできるのか “炎上セレブ”テイラー・スウィフトのしたたかさと危険性 - wezzy|ウェジー

    2016.08.13 セレブのフェミニスト宣言は、ショービズを成立させる女性蔑視を変えることはできるのか “炎上セレブ”テイラー・スウィフトのしたたかさと危険性 「私が世間から見られている視点は、社会が母親を、娘を、妹を、を、女友だちを、女性の仕事仲間を見る視点のサンプルです。この女性のモノ化と詮索は不合理で人の心を不安に陥らせます」 ジェニファー・アニストンは90年代大ヒットドラマシリーズ『フレンズ』の主演により一躍人気を得、アメリカン・スウィートハート、A Girl Next Door(隣の可愛い女の子)の地位を獲得した女優だ。当時、映画界でのその地位はジュリア・ロバーツが占めていたのだが、ジュリアが庶民的ながらもプライド高くじゃじゃ馬的イメージがある一方、ジェン(ジェニファーの愛称)はドラマでの役柄そのままに、美人なのにおっとりしていてどこかとぼけている受容的なイメージがあった。ジ

    セレブのフェミニスト宣言は、ショービズを成立させる女性蔑視を変えることはできるのか “炎上セレブ”テイラー・スウィフトのしたたかさと危険性 - wezzy|ウェジー
  • べ、別にあんたのためにツンデレを分析してるわけじゃないんだからね!~シェイクスピア『十二夜』を考える - wezzy|ウェジー

    2016.08.11 べ、別にあんたのためにツンデレを分析してるわけじゃないんだからね!~シェイクスピア『十二夜』を考える 今回は、満を持して私の職、ウィリアム・シェイクスピアのお話をしたいと思います。今年はシェイクスピア没後400周年で、おそらくこの原稿が掲載される頃、私は英国で開催される世界シェイクスピア学会大会を終えたばかりでヘトヘトでしょう。学会と同時に、皆さんにシェイクスピアの楽しみを少しだけお伝えしたいと思います。とりあげる戯曲は17世紀初頭に初演された喜劇『十二夜』(Twelfth Night)で、切る軸は「ツンデレ」です。 ツンデレの定義 皆さんはツンデレはお好きでしょうか。漫画、アニメ、ライトノベル等でよく聞く言葉ですし、なんとなくどういうキャラクターかイメージできる方も多いと思います。しかしながらこの語は多様な使われ方をしており、厳密な定義はなかなか困難です。私が見つ

    べ、別にあんたのためにツンデレを分析してるわけじゃないんだからね!~シェイクスピア『十二夜』を考える - wezzy|ウェジー
  • 男性に自由を奪われた「籠の鳥」~チャイコフスキー『白鳥の湖』と森鴎外『雁』 - wezzy|ウェジー

    皆さん、バレエはお好きですか? バレエといえばフワフワのチュチュを履いた美女と、王子様のような美男が人間離れした動きで踊るところを想像する人もいるかもしれません。チケットが高いので舞台で見る人はあまりいないかもしれませんが、なんとなくキラキラしたイメージがあると思います。実際にライヴで見てみると、演出にもよりますが男女ともに凄い筋肉で意外にエネルギッシュだったりもしつつ、それでもロマンチックな夢の世界ではあります。今日はチャイコフスキーの『白鳥の湖』にどういうわけだか森鷗外をからめつつ、バレエについてちょっとした小咄をしようと思います。 バレエの功罪 バレエは、性差別的なところが鼻につくと言われることがあります。愛に殉じる可憐な女性の話が多く、とても異性愛中心的です。女性キャラクターは男性の勝手な理想や欲望を体現するような存在で、清らかで純粋な美女か、ちょっと頭の良い場合は悪巧みに熱心なフ

    男性に自由を奪われた「籠の鳥」~チャイコフスキー『白鳥の湖』と森鴎外『雁』 - wezzy|ウェジー
  • 男性の強姦被害は「ゼロ」? 強姦罪は改正されるのか - wezzy|ウェジー

    5月20日に決定された「女性活躍加速のための重点方針2016」には、JKビジネスなど女性に対する暴力の根絶についての記載があります。 性被害は、被害対象として想定されているのは女性であることがほとんどで、男性について語られることがなかなかありません。 しかしこの状況に変化の兆しが見えています。平成27年10月に、法制審議会で男性の性被害に深く関係する「強姦罪」についての議論が俎上にのせられたのです。 法律上、男性は強姦されない日は、強姦の男性被害者は「ゼロ」とされています。 なぜなら強姦罪(刑法177条)は「暴行又は脅迫を用いて13歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、3年以上の有期懲役に処する。13歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする」とされており、男性の被害者が想定されていないためです。 肛門性交など、男性も被害者になりうる行為は強制わいせつ罪(刑法176条)として処罰されるこ

    男性の強姦被害は「ゼロ」? 強姦罪は改正されるのか - wezzy|ウェジー
  • 英語圏の腐女子文化~知られざるスラッシュフィクションの世界 - wezzy|ウェジー

    今回は英語圏のスラッシュフィクション(日語で言うやおいやボーイズラブに近いもの)をとりあげていきたいと思います。最近では英語圏のスラッシュの話も少しは日に入ってきていますが、日語で入手しにくい情報もかなりあります。前半では英語圏のスラッシュについてごく基的な情報を簡単に説明し、後半では少しアカデミックに、フェミニズム・クィア批評系のスラッシュ評論の定番を紹介したいと思います。 スラッシュが好きな理由は十人十色 スラッシュフィクションは主に男性同士の性的関係や親密な情愛を扱った作品を指す言葉ですが、広い意味では女性同士の「フェムスラッシュ」も含みます。主に二次創作で使用される用語で、所謂「キャノン」(正典、原作のこと)では、とくに明示的な恋人同士などではない男性キャラクター同士の関係性に親密度を加えて想像するファンタジーがスラッシュです。スラッシュのファンの多くは女性であると考えられ

    英語圏の腐女子文化~知られざるスラッシュフィクションの世界 - wezzy|ウェジー
  • 「女の子」を愚弄した秋元康を<断罪>する  『glee』が私たちに教えてくれたこと - messy|メッシー

    アメリカの人気テレビドラマ『glee』でひときわ印象的な場面がある。将来ブロードウェイ・スターになると公言し、glee部(合唱部)でも堂々リードボーカルをとるヒロイン・レイチェルが、純朴ハンサムジョック(体育会系)のフィンを巡って、学校一の美人でチアリーダーのクィンと争う場面だ。 クィンはレイチェルを「フィンのことは諦めなさい、あなた都会に出てスターになるんでしょ。あなたには才能があるじゃない、キャリアと男、二つを同時に得るなんてできないのよ。一つを手に入れたら片方は諦めなきゃいけないの」と説得しようとする。 このクィンを演じる女優が、HKT48の新曲『アインシュタインよりディアナ・アグロン』の中で歌われているダイアナ・アグロンである。 「アインシュタインよりディアナ・アグロン テストの点以上 瞳(め)の大きさが気になる どんなに勉強できても 愛されなきゃ意味がない スカートをひらひらとさ

    「女の子」を愚弄した秋元康を<断罪>する  『glee』が私たちに教えてくれたこと - messy|メッシー
    symbioticworm
    symbioticworm 2016/04/15
    “ヒロインをかいがいしく導き助ける妖精のような役割しかもたないゲイ友だちの描写と違って、このドラマにおけるマイノリティたちはそれぞれに自我を持って自分の利益のために行動するのだ。”
  • モテ女礼賛~美しく友情に篤い女たち - wezzy|ウェジー

    嫉妬深い女性というステレオタイプ ここのところ労働問題と病気、ブス、生命倫理や同性愛者差別など重い話題ばかり扱っているので、今回はもう少し気楽な話をしたいと思います。テーマは「モテ」です。 そもそもモテるモテないという話自体いじめや偏見に結びつきやすいので、これだけでは全然愉快に見えないかもしれません。むしろ気が沈むようなテーマだと思う方もいるでしょう。嫌な話にならないよう、気をつけようと思います。 女は嫉妬深くて他の女の足を引っ張るとか、女の友情は男に比べて長続きしない、というようなことを自明の理であるかのように言うのが好きな人がいます。これは単なるステレオタイプで、たいして根拠があるものではありません。社会言語学の研究者であるファーン・ジョンソンによると、1970年代の後半になるまでそもそも女の友情についてはほとんど研究がなく、女は陰湿だとか、女同士が親しくすると男との関係に支障が生じ

    モテ女礼賛~美しく友情に篤い女たち - wezzy|ウェジー
  • フェミニズムは男への復讐が最終目的ではないと教えてくれる映画『駆込み女と駆出し男』 - wezzy|ウェジー

    大泉洋と戸田恵梨香主演の『駆込み女と駆出し男』。公開時に見たときは、フェミニズムを感じさせるラブ・ストーリーだと思っていました。ところが、今回見直して見たら、印象ががらっと変わりました。 開始直後に流れる、縄で縛られてどこかへ連れて行かれる大勢の女義太夫たちのカット。彼女たちは路上で芸を披露して風紀を乱したとして、さらし首にされることになっていたのでした。女義太夫たちは、この物語に直接的な関係を持つ人たちではありません。それでも冒頭にこのカットを入れてくるということは、江戸時代、そしてこの映画を見る現代の女性たちには、理不尽に縛られている部分があるいうのを示唆するものだと考えていいでしょう。 この映画の舞台は1841年の江戸時代です。当時は、男性から離縁をつきつけることができても、女性からは離縁を申し出ることができませんでした。そこで、離縁をしたい女性たちは、幕府公認の「駆け込み寺」であっ

    フェミニズムは男への復讐が最終目的ではないと教えてくれる映画『駆込み女と駆出し男』 - wezzy|ウェジー
  • 隠れたるレズビアンと生殖~『わたしを離さないで』 - wezzy|ウェジー

    今日はイギリスの作家カズオ・イシグロが2005年に発表した小説『わたしを離さないで』(Never Let Me Go) をとりあげようと思います。この小説は2010年には映画化もされました。日でも2014年に蜷川幸雄の演出で舞台化されており、現在、TBSで舞台を日に移したテレビドラマが放送中です。今日の記事は小説についてのネタバレを含みますので、もしドラマを見ている人がいたらお気をつけください。 なお、この論考では、基的に引用については原書はKazuo Ishiguro, Never Let Me Go, 2005, Faber and Faber, 2006、日語訳についてはカズオ・イシグロ『わたしを離さないで』土屋正雄訳(早川書房、2016)に拠っています。 『わたしを離さないで』における情報の開示 『わたしを離さないで』は20世紀後半のイギリスで展開しますが、現実の歴史よりも

    隠れたるレズビアンと生殖~『わたしを離さないで』 - wezzy|ウェジー
  • 愛の理想世界における、ブス~夢見るためのバズ・ラーマン論 - wezzy|ウェジー

    非常につらい話だった先月の『サンドラの週末』からうってかわって、今日は『ロミオ+ジュリエット』や『ムーラン・ルージュ』など、キラキラした華麗なスタイルで有名なオーストラリアの映画監督、バズ・ラーマンの作品群をとりあげてみようと思います。クィア批評(これが何かは後で説明します)などに触れつつ、最後は少し個人的な思い入れの話になってしまうかもしれません。 バズ・ラーマン監督の来歴 バズ・ラーマン監督は1962年9月17日にシドニーでマーク・アンソニー・ラーマンとして生まれました。「バズ」はあだ名だそうです。オーストラリア国立演劇学院(NIDA)で学び、在学中に作成した短い芝居をもとに発展させたStrictly Ballroomが舞台であたります。1988年にヒット作となったこの芝居は1992年に映画化されました。これがラーマンの初監督作であり、ダンス映画として大成功をおさめた『ダンシング・ヒー

    愛の理想世界における、ブス~夢見るためのバズ・ラーマン論 - wezzy|ウェジー
    symbioticworm
    symbioticworm 2016/02/10
    おもしろうて、やがて悲しき何とやら。
  • 育児が血縁・婚姻関係に閉じられていない理想の社会 「産後ケア」に取り組むNPOマドレボニータ代表・吉岡マコさんインタビュー - messy|メッシー

    2015.12.12 育児が血縁・婚姻関係に閉じられていない理想の社会 「産後ケア」に取り組むNPOマドレボニータ代表・吉岡マコさんインタビュー 出産後、ホルモンバランスを崩し、うつ状態になることを「産後うつ」と言います。妊娠後期の女性は、お腹が膨らんでいる外見から妊婦であることがわかり配慮をすることも可能ですが、産後の女性も精神的・肉体的にしんどい状況にあることはなかなか知られていません。 11月に『みんなに必要な新しい仕事』(小学館)を出版されたNPO法人マドレボニータの吉岡マコさんは、出産後のツラさを経験されたことをきっかけに、産後ケアの重要性を訴える活動を1998年から始められました。書は20年近くに渡る吉岡さんの活動をまとめたものとなっています。今年3月に「世界をよくするスピードをあげよう」というキャッチフレーズを掲げたグーグルの「グーグルインパクトチャレンジ・ジャパン」でWo

    育児が血縁・婚姻関係に閉じられていない理想の社会 「産後ケア」に取り組むNPOマドレボニータ代表・吉岡マコさんインタビュー - messy|メッシー
  • 父の世界からの解放~「フェミニスト的ユートピア」を描いた『バベットの晩餐会』 - wezzy|ウェジー

    フェミニズムを軸に、様々なカルチャーを分析していくこの連載。今日は1987年のデンマーク映画『バベットの晩餐会』を紹介しようと思います。アカデミー外国語映画賞を受賞している有名な作品なので、ご覧になった方もいるかもしれません。タイトルからわかるように料理映画です。監督はデンマーク出身で昨年亡くなったガブリエル・アクセルです。 『バベットの晩餐会』はデンマーク語と英語を使いこなす著名なデンマーク出身の作家カレン・ブリクセンの短編を原作としています。ブリクセンはイサク・ディーネセンという男性名を使って執筆することもあり、この作品も、1950年に雑誌掲載のために英語で書かれた際にはイサク・ディーネセン名義となっていました。改稿の末1958年にデンマーク語版として作品集に収録された際には、カレン・ブリクセン名義となっています。 話は単純で、寓話的なところがあります。19世紀、ユトランド半島の村に

    父の世界からの解放~「フェミニスト的ユートピア」を描いた『バベットの晩餐会』 - wezzy|ウェジー
    symbioticworm
    symbioticworm 2015/12/12
    初見ではフェミニズムを意識せず単に面白い映画として観たのだが、こうして解説を読むとその面白さはフェミニズムが内包する公平さへのセンスと不可分なのだなあと考えさせられる。
  • 愛情だけでは、子供の問題は解決しない 『学校へ行けない僕と9人の先生』棚園正一×荻上チキ - wezzy|ウェジー

    『学校へ行けない僕と9人の先生』(双葉社)は、漫画家・棚園正一さんが、不登校児だった小学生から中学校までの体験を基に描かれた作品だ。この作品には、「いじめ」や「不登校」など、学校やその周辺で起きる様々な問題が描かれている。前編では、「いじめ」をテーマに、NPO「ストップいじめ! ナビ」の代表を務め、評論家として活躍する荻上チキさんと棚園正一さんとの対談をお送りしたが、後編からは「不登校」「先生の量と質を向上させる方法」そして「親に出来ること」について語り合った。(前編はこちら) 先生の独裁者化を防ぐ「1学級2人制」 荻上 不登校になってから、黒い帽子とマントをつけた男が、棚園さんの頭の中に現れるようになっていますよね。あれっていつ頃から見えなくなりました? 棚園 小学3年生くらいにはだんだんと見えなくなってきました。たぶん学校に行くことへのプレッシャーが弱まってきたんだと思います。 荻上 

    愛情だけでは、子供の問題は解決しない 『学校へ行けない僕と9人の先生』棚園正一×荻上チキ - wezzy|ウェジー
  • 安倍政権が「家族」を連呼する背景にある「親学」のトンデモっぷりに迫る - wezzy|ウェジー

    3回ほど、「家族」をテーマに原稿を書いてきました。自民党の憲法改正草案で、憲法24条に「家族は互いに助け合わなければならない」という文章が追加されていることを知ったのがきっかけです。10月5日の記事では、昨年9月に発行された『女子の集まる 憲法おしゃべりカフェ』(明成社)において、「現行の憲法が『家族』よりも『個人』を重視している」として批判が展開されている件について、疑問を呈しました。というのも書は、安保関連法案が議論されている際に数少ない「賛成派」の憲法学者として紹介されていた百地章氏が監修していることもあり、政権と価値観を共有していると考えられたためです。 そして先週は、第三次安倍改造内閣発足後に、国土交通大臣に就任した石井啓一議員(公明党)による「家族で支え合うことを支援するため祖父母・親・子どもの三世代が同居したり近くに住んだりすることを促進するような住宅政策を検討・実施する

    安倍政権が「家族」を連呼する背景にある「親学」のトンデモっぷりに迫る - wezzy|ウェジー
  • 親学のいう「伝統的子育て」はどの時代の子育てなのか - wezzy|ウェジー

    以前、安倍政権が「家族」を連呼する背景を探るべく、『安倍政権が「家族」を連呼する背景にある「親学」のトンデモっぷりに迫る』という記事を書きました。日が空いたので簡単に要約します。 安倍政権が政策や改憲で、「家族」を前面に押し出そうとしていることは周知の通りです。しかしわからないのは、なぜそこまでして「家族」に執着するのか、という点です。一定の合理性を持った政策として打ち出されるのであれば、ある程度の説得力はあるでしょう。しかし、そうは思えない。少なくとも現段階で、政権は、打ち出している政策や方向性の合理性を、国民に対して納得できるように示していません。どうも、特定の議員・団体による偏った価値観によって政策が作られているようにしか見えないのです。 そこで現政権が「家族」に執着するのはなぜかを考えるにあたって、前回は、安倍総理が議員連盟の会長を務め、政治の中枢にいる議員が数多く所属している「親

    親学のいう「伝統的子育て」はどの時代の子育てなのか - wezzy|ウェジー