今年もまた、数えきれないほど多くのドラマが放送された。中には話題を呼んだ大作もあれば、痛々しいほどの不発弾もある。その中で、「文化としてのドラマ」という意味で高く評価したい秀作や意欲作も存在した。トップ5の順位をつけてはいるが、それぞれに個性的で魅力的な作品だ。2023年の成果として、ここに記しておきたい。 【第5位「何曜日に生まれたの」】 (ABCテレビ・テレビ朝日系、8月6日~10月8日放送) 1960年代のヒット曲、ザ・ホリーズの「バス・ストップ」が印象的なこのドラマ、脚本は野島伸司だ。黒目すい(飯豊まりえ)は高校時代のバイク事故をきっかけに、その後10年にわたって引きこもっている。事故を起こしたのはサッカー部のエース、雨宮純平(YU)だった。 そんなすいが、作家の公文竜炎(溝端淳平)の依頼で新作小説のモデルを務める。売れない漫画家の父・丈治(陣内孝則)が、その小説を原作に作品を描く