3回連続で宮田珠己さんのエッセイに関する感想文の投稿です。何かすみません。しかも、近作ならまだしも、すべて20年以上前に書かれた作品ですが、どうか引き続きお付き合いください。 サラリーマン時代の雄姿 今回は、2000年に刊行され、そこから7年の時を経て文庫化に至った4作目『わたしの旅に何をする。』(幻冬舎文庫)をピックアップ。 ベースとなるのは、前回の『ときどき意味もなくずんずん歩く』と同じく、雑誌『旅行人』での連載です。本編の始まりは以下の通り。 私はついこの間までサラリーマンであった。結局退職したのだが、ええぃ会社なんか今すぐ辞めてやる、そうだ、今すぐにだ、という強い信念を十年近く持ち続けた意志の堅さが自慢である。 構成は『有給の旅人』『旅立ちと陰謀』『旅人人生大器晩成化計画』の3部仕立て。第1章では有給を使って可能な限り大型連休を引き延ばし、全力でヴァカンスに興じる、まったく空気の読