最初に「齊」(字音はサイ・セイー呉・漢音とも)。『大系漢字明解』(高田忠周ー昭和11年ー富山房)を引用しながら解説をします。 文字の成り立ちについては「齊」が早く出来上がったようです。「齊」は稲・麦が穂を上にむけ、平ら(ならぶ)なようすで、象形文字。齊のなかの「二」は地面を表すものである。ここから「ととのえる」「まとめる」「おなじ」にも転義したと。 「齋」は中の「示」が中核で「示」は神仏を現し、齊の音を借りたものである。字の意味は神仏につかえるために、心身を清め、ととのえることであると。 以上のような違いがあります。例が貧困ですが、例えば「皆で」は「一斉(せい)」であり、葬儀の時の食事は「お齋(とき)」と書きます。齋は静かの意味を含むので「書斎」などに使います。 「斉・斎」は現在の常用漢字表の簡易な書体です。