ASDの人のコミュニケーションの特徴としては、「相手の立場に立って考えることが苦手」ということがあります。相手との距離感がつかめず、不用意な発言をすることで、困難を招くことがあります。 「相手の立場に立って考えることが苦手」であるケースの例です。大人のASDのある会社員・Aさんは、上司にパソコンの業務用ソフトの使い方に関する研修を受けたいと申し出ました。上司が理由を聞くと、Aさんは「そのソフトが使えると、転職するときに有利だと聞きました」と答えました。 それを聞いた上司は腹を立ててしまいましたが、なぜ怒っているのか、Aさんにはよくわかりませんでした。このように、相手の立場に立って考えることが苦手なため、悪気はなくても相手に不快な思いをさせることがあります。 さらに、ASDでは、「言葉を文字通り解釈する」「想像力が乏しい」という特徴がみられます。言葉のニュアンスや表情から状況を察することが難