チェルノブイリが舞台の「S.T.A.L.K.E.R.」に宿る、ポスト・アポカリプス作品としての唯一性 そして期待する“その先”の物語 どこまでも広がる荒廃とした世界の中でただ一人、ガイガーカウンターの音や得体の知れない怪奇、敵対する勢力の襲撃に怯えながら、わずかな味方の存在と死体から漁った物資を糧にして、ただ黙々と歩き続ける。記憶を失ってしまった主人公にとって唯一の目的となるのは、所持していたPDAに書かれていた「Kill Strelok(Strelokを殺せ)」の一文のみ。 事故発生後(正確には1986年の事故後、2006年に原因不明の第二次爆発が起きたという架空の設定)のチェルノブイリ周辺地域(「ゾーン」と呼ばれる)を舞台としたFPSゲーム『S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl』は、2007年の発売から現在に至るまで数多くのゲーマーを魅了し、ある種のカ