青山学院大学の内山隆教授に聞く企画の後篇です。(前篇を読んでない方はぜひそっちからご覧ください)。 後篇では、そもそも放送と通信の融合はなぜ進まなかったのか。今や通信より不便で不利に思える放送はどうすれば再び力を取り戻せるのか。ただ、聞けば聞くほど、簡単には光が見えないことがわかってきました。5年、いや10年以上かもしれない欧米からの遅れは、取り戻しようがないような…。じっくりお聞きしました。 日本国内の放送の同時配信の議論は、どうして進まなかったのか? 境:ここからが本題なのですが、テレビ局にとって放送は明らかに行き詰まっています。テレビ受像機で配信サービスが見られるようになっていき、放送を圧迫しています。去年のW杯の時に通感したのが、ABEMAはスマホから始まってテレビでも見られるようになったということ。配信権を獲得すれば、通信でもテレビ受像機で見てもらえる。一方で放送権を獲得したテレ