平昌五輪フィギュアスケート男子シングルで五輪連覇を成し遂げた羽生結弦。歴史に残るフリー演技で使用された楽曲に注文が殺到し、レコード会社がCDの追加生産に乗り出す事態になっている。ショートプログラム(SP)のクラシック曲や、競技後のインタビューでお気に入りと答えた曲の人気も過熱。音楽業界は「氷上のプリンス」がもたらした突然のバブルに沸いている。 連覇支えた「和」のメロディー 羽生は、歴史的な快挙を達成した18日のフリープログラム「SEIMEI」で、平安時代の陰陽師(おんみょうじ)、安倍晴明をイメージして優美に演じた。 会場に流された音楽はその世界観を表現しており、「和」の雰囲気を基調にモダンな旋律を取り混ぜた美しいメロディーだった。 この楽曲は、映画音楽やテレビドラマの音楽を数多く手がける作曲家、梅林茂によるものだ。狂言師、野村萬斎が晴明を演じた人気映画「陰陽師」(01年)、「陰陽師II」(