シャープは16日、東日本大震災の影響などを受け、テレビ用大型液晶パネルの生産を休止していた堺工場(堺市)と亀山工場(三重県亀山市)を再稼働させた。パネルの在庫削減が進んだほか、工業用ガスの確保にめどがついたためだ。今後はパネルの需給動向をみながら、工場の本格稼働を目指す。 シャープは4月下旬から、堺と亀山の工場を休止。当初は5月の大型連休明けの再開を目指していたが、16日にずれ込んだ。 シャープにとって誤算だったのが、液晶テレビの販売低迷だ。震災以降、消費者心理の冷え込みなどで販売が落ち込み、平成23年3月期のテレビ販売台数は1482万台と計画(1500万台)を下回った。 今期も家電エコポイント制度の反動などが、国内のテレビ販売に逆風になる。海外でも韓国メーカーなどとの競争が激化。テレビ販売の大きな拡大は難しい。 液晶事業はシャープにとって、本業のもうけを示す営業利益の2割を占める主力事業