ロンドン大学の研究者たちは、子どもに対して5歳前から外国語教育を始めることにより、吃音(きつおん)障害が発生する確率が高くなることを発見した。それが本当ならば、幼稚園児が塾などで外国語を学ぶことは致命的なデメリットとなる。実は、筆者はタイ人の妻との間に男女2人の子どもがいるが、息子は2歳頃に吃音が始まった。どうも日本語よりも先にタイ語を覚えてしまったことに原因があるようなのだ。そこで、筆者の子どもの実体験とともにこの問題を考えていきたい。 ■早期のバイリンガル教育で失われるものとは? 今回の研究では、ロンドンに住む317人の吃音障害がある子どもたちを調査対象としているが、なんと全員が4~5歳の時期に吃音が始まっていた。そのうち69人(21.8%)は、家庭では英語以外を話すバイリンガルだった。また、38人は英語が話せない親からの学習を強いられており、うち15人は5歳までに親の母国語(英語以外