タケノコを細かく切り、必要な試料を採取する作業。その後、乾燥させて粉末にし、分析機にかける=横浜市鶴見区の同位体研究所 植物や動物が持つ酸素や炭素などの元素を調べる手法を用い、ウナギや牛肉など各地で相次ぐ産地偽装事件の解明に役立てるケースが増えてきた。元素のわずかな質量の違いと大量のサンプルをつきあわせ、産地を割り出す。栃木県警や徳島県警、警視庁などでは事件の立件に結びつけた。 栃木県警は昨年11月、ハチミツの産地を偽装したとして、養蜂園の経営者らを不正競争防止法違反(原産地誤認惹起〈じゃっき〉)の疑いで逮捕した。中国産のアカシアハチミツを混ぜたハチミツと、メキシコ産のオレンジハチミツをいずれも「国産」と偽り、県内の土産物店などに約220点(約8万4千円分)売ったという容疑だ。 この捜査で県警は「安定同位体比分析」と呼ばれる手法を用いて、立件の裏付けにした。 まず、この養蜂園のアカ