政府は2日、南極海の調査捕鯨で捕獲対象をミンククジラに絞る計画に見直す方針を明らかにした。現行の計画中止を命じた3月の国際司法裁判所(ICJ)の判決に沿うよう改善し、15日からスロベニアで開かれる国際捕鯨委員会(IWC)総会で表明する。 日本はいまは認められていない商業目的の捕鯨再開につなげようと、南極海でクジラを捕獲して生態などを調べる調査捕鯨を続けてきた。だが「科学目的が損なわれている」としたICJの判決を受け、2014年度の南極海捕獲調査を断念。15年度の再開に向け計画の見直しを迫られていた。 いまの計画はミンクやザトウなどの3種を毎年1千頭以上捕る目標。だが、実際の捕獲数は目標に達せず、ホエールウオッチングで人気のザトウクジラは反捕鯨国の反対で近年は捕獲を見送っており、調査計画自体の科学的根拠に疑問が出た。また殺さずにすむ調査の検討も不十分で、「敗訴」につながった。 このため生息数