これまで、新改訳聖書について、実際に様々な箇所を引用しながら、その翻訳内容について考察してきた。しかし、それらはほんの一例に過ぎない。このような作業を徹底して行えば、おそらくこの何十倍もの箇所が抽出されてくることだろう。これらから言えることは、私は決して新改訳聖書の翻訳内容、翻訳方針に同意できないということである。百歩譲っても、これは決して、独りで読むのにふさわしいものではない。 しかし、新改訳聖書は、今も福音派、カリスマ派の多くの教会で愛用されている。そして、彼らも実に善良な主の民である。問題は、どこにあるのかと言えば、新改訳聖書刊行の歴史にあるようなのである。同刊行会のホームページにそれが載っているが、それによると、背景に宗派間の対立が色濃く存在している。対立そのものは、ある意味では必然的なものかもしれないが、問題は宗派間の会話までが遮断されてしまったことにある。これにより、新改訳聖書