1932年のロサンゼルス大会以来、オリンピック(五輪)開催のたびに公式記録映画が製作されてきました。コロナ禍の今大会では、カンヌ映画祭などで受賞歴のある河瀬直美監督(52)がメガホンを取ります。64年大会の公式映画「東京オリンピック」は当時の喧騒(けんそう)をも映し出し、1960万人を動員しました。五輪映画はスポーツの感動にとどまらず、時代の空気を記録してきたのです。【相原斎】 ◇ ◇ 緊急事態宣言下の五輪の異例ずくめは、そのまま公式映画に記録されることになります。メガホンを取る河瀬さんは「無観客でもいいと思いますけど、増田明美さん(ロス五輪女子マラソン代表)から『アスリートは観客がいることで3センチ足が上がる』と聞きました。熱い思いを共有するのも大切なことだと…」とテレビ番組では複雑な思いを明かしています。 07年の「殯(もがり)の森」がカンヌ映画祭審査員特別賞となるなど、国際的に