未返還の奨学金の半額を返し終えたのに、まだ支払いは続くのか――。保証人には半額しか支払い義務がないことを知らせずに全額を求めてきた日本学生支援機構。報道で指摘された後に、過大請求による不当な回収をしていたことが明らかになった。 いつもの朝のように、ネットのニュースを追っていた。北海道に住む男性(73)は昨年11月1日、ある見出しを目にして、思わずクリックした。 〈奨学金、保証人の義務「半額」なのに〉 日本学生支援機構は、奨学金の保証人が半額の支払い義務しか負わないことを知らせずに全額を求めている、と書かれていた。「分別の利益」という言葉を初めて知った。 男性はすぐ、機構に連絡を入れた。保証人として、すでに64万円あまり払っていた。教え子が返せなかった約93万円の半分を超えており、もう払う必要はないのではないか。男性が告げると、担当者は「検討中のため、後日連絡します」と答えた。 男性はかつて