印刷 さいたま市南区で6月、車いすの無職星野美穂さん(当時38)=同市見沼区大谷=が乗用車と衝突して死亡する事故があった。この事故について市消防局は15日、11カ所の病院に受け入れを拒否され、救急車の到着から搬送まで2時間以上かかったことが死亡の可能性を高めたとする検証結果を発表した。 市消防局によると、救急隊が現場に着いたのは6月29日午後10時25分ごろ。星野さん自身は搬送を拒否したが、左頭部がはれ、腰の痛みを訴えたという。隊員は電話で病院を探したが「当直医は耳鼻科」などと断られ続けた。星野さんは最終的に、一度拒否された市内の救急指定の総合病院に運ばれたが、30日午後2時ごろ、外傷性くも膜下出血などで死亡した。 検証結果では、医療機関の受け入れと救急隊が搬送先を決める体制が不十分などとし、搬送時間がかかって死亡した可能性が高まったと結論づけた。