【パリ=稲田信司】パリ中心部のノートルダム寺院で21日夕、男性が銃で自殺し、観光客らが一時避難する騒ぎとなった。フランス警察当局の調べでは、死亡した男性は右翼活動家で作家のドミニク・ベネール氏(78)。4月下旬に成立した同性婚を認める法律に反対する意思を表明していた。 AFP通信などによると、ベネール氏は同性愛を禁じるカトリック的価値観を重んじ、イスラム教徒の排斥も主張していた。右翼政党・国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン党首は「フランス人を目覚めさせる行為に敬意を表する」との声明をツイッターで発表した。 自殺の数時間後、パリでは同性婚法成立を祝うコンサートが開かれ、数千人が参加した。一方、26日には同性婚法の廃止を求めるデモが予定されており、同性婚の是非をめぐる論争は尾を引きそうだ。 関連記事フランスで同性婚法成立 同性カップルの養子縁組認める(4/24)同性婚法案、仏下院が可決 成