車1台がやっと通れるほどの道を抜けると、鉄骨むき出し、さびも目立つ平屋の小屋がたたずんでいた。かつては牛舎として使われた建物が、アンティークを集めたレトロな「秘境カフェ」としてよみがえり、SNSで話題になっている。 静岡県掛川市大野の「アンティーク・カフェ・ロード」。国道1号バイパス日坂インターチェンジから車で約10分だが、道のりは険しい。カフェへ続く山道が細く、2013年の開店から2年間で客の車が34回脱輪したという。あまりに多かったため、カフェが脱輪した車を引き揚げるための四輪駆動車を用意したが、今は使うことはない。「難しい道が話題になって、運転に自信のない人は来ないか、上手な人と一緒に来るようになった」と店主の大場サダオさん(60)。 車が転落したことがあるという小川沿いの小道を抜けると、「秘境カフェ」にたどり着く。中は薄暗く、高い天井にむき出しの赤い鉄骨やさびたトタン。「正確な広さ