燃料電池車(FCV)に水素燃料を補給する水素ステーションの建設が、ようやく本格化してきた。トヨタ自動車が今年度中にFCVを発売すると発表したのがきっかけだ。ただ課題は山積みで、普及の基盤整備には時間がかかる。 「水素社会実現の第一歩となる意義深い事業だ」。豊田通商の浅野幹雄副社長は1日、名古屋市で開いた、水素ステーションの起工式でこう強調した。トヨタグループの一員でもある同社は、年度内に愛知県と首都圏などに8カ所のステーションをつくる計画だ。 「究極のエコカー」として注目されるFCV。トヨタに続き、ホンダも2015年中、日産自動車も17年までに売り出す予定だ。トヨタは当初、700万円程度で売り出す。補助金がつけば、国産高級車並みの価格になり、一気に普及が進むと期待する声がある。 それを支える重要な社会基盤が、水素ステーションだ。産業ガス大手の岩谷産業は7月、いずれは一般の人も使える初めての